ハンターズ・ムーン モノビーストデータ

■悪樓(あくる)
ランク6  領分:水域/《現れる》
弱点:呼吸器  習性:偶数ラウンド
モラル基準値:12
異形アビリティ:
【巨大化】/《心臓》
【鑢】/《口》
【ソナー】/《感覚器》
【寄生体】/《逆腕》
【鉄塊】/《利き脚》
【鋼鱗】/《逆脚》
基本アビリティ:【全体攻撃】【怪力】【恒常性】【二段攻撃】


外見:全長40m近い海蛇めいたモノビーストです。長らく竜の一種と誤解されてきましたが、近年の研究により、新生代に生息した原クジラ類であるバシロサウルスを起源とする説が有力となりました。基本的には水棲ですが、移動経路が水浸しでありさえすれば……例えば雨中であれば、陸上の活動にも支障はないようです。鰻のように身悶えしつつ迫ってくる、30t超の規格外の巨体が醸し出す原始的な恐怖感は、歴戦のハンターでさえ正面からの戦闘を躊躇するほどです。また、銀灰色の皮膚は拳銃弾が貫通しない頑強さと柔軟さを有しており、その全身を点々と覆う錆色の瘡蓋には、鼠と蛙の中間のような小動物がコロニーを作っています。この嫌悪感を催す寄生生物については詳しいことは分かっておらず、無根拠な仮説しかありません。


殺害方法:鰐のような細長い口吻にずらりと並んだ鋸じみた牙による、無慈悲な咬みつきが主な攻撃手段ですが、水中での圧倒的優位は失血を待たずしてハンターを容易に死に至らしめるでしょう。更に、尾鰭の強靭な筋肉から繰り出される重い薙ぎ払いは、ボディーアーマーを着込んでいてさえ、ハンターの内臓を破裂させるのに十分な威力を持っています。しかし、最もおぞましい死に方は、悪樓の皮膚の下に潜り込んだ、コバンザメじみた獣の群れに貪り喰われることです。


戦術:まずは【全体攻撃】に【鑢】を組み合わせて攻撃しましょう。適当にハンターが弱ってきたところで、【二段攻撃】を混ぜて狙い撃っていくとよいでしょう。【巨大化】のダメージボーナスを忘れないように。また、偶数ラウンドに得られる追加行動では、【鉄塊】のダメージボーナスが安定した威力を発揮するでしょう。あとは【寄生体】の地道なダメージを与え続ければ、最終的に手数で削り勝てるはずです。


シナリオフック:水域での狩りを前提にしたモノビーストです。都市部の臨海地域や人工島、あるいは洋上の大型客船などが狩り場となるでしょう。生贄の因習を残した離島、ということもあるかも知れません。大型台風が直撃した、臨海地域の重要施設でテロが発生したなど、モノビーストがある程度自由に動け、逆にハンター側の移動が制限されるような要因があると、シナリオの展開に説得力が生まれるでしょう。いずれにしても、慣れない環境での狩りは、ハンターをじわじわと着実に消耗させるはずです。しかしながら、ハンターがこのモノビーストと戦うには、ハンター個人に強力な動機が必要です。実際歯が立たなそうであれば他のハンターが仕留めてくれるまで、当分水辺には近づかずにいれば良いのですから。また、戦闘や追跡中にハンターの邪魔をするハンターキラーを出したい!ということであれば、信奉者が適任でしょう。環境保護のためには実力行使も辞さない過激な団体の構成員にとっては、希少な動物を狩る邪悪な密漁者たち……つまりハンターは攻撃すべき敵なのです。


■領分:水域チャート集
遭遇表(1D6)
1:ようやく恋人を口説き落としてやってきたビーチは、“鮫”による死亡事故により閉鎖されていた。あなたの怒りと悲しみは海よりも深い。感情属性を【怒り】に設定する。
2:出港から一週間後に発見された無人の漁船。船体に残された血痕は、何か巨大なものが這ったことを示していた。感情属性を【恐怖】に設定する。
3:あなたは泳ぎが苦手だ。海や川、水辺に近い場所では本能的に不安を感じる。しかし今回の獲物は、水棲のモノビーストだというのだ。感情属性を【恐怖】に設定する。
4:豪雨の降りしきる吊り橋の上。怪物は巨体をくねらせ、車列の間を抜けてあなたの乗る車に近づいてくる。感情属性を【恐怖】に設定する。
5:不意に沖合に現れたそいつは、ボートの釣り人を餌食にすると、悠々と水中に姿を消した。あなたは為す術もなく堤防に立ちつくす。感情属性を【恐怖】に設定する。
6:あなたの師であり友人だったハンターが、長年追っていたモノビーストに殺された。水面に映る満月を引き裂いて浮上する大海蛇。あの獣があなたの仇だ。感情属性を【怒り】に設定する。


ロケーション表(1D6)
1:造船所。キャットウォークが張り巡らされており、高所から水面を見下ろし、かつ縦横に移動できる、ハンターに非常に有利な環境だ。戦闘開始時にハンター全員の【モラル】を6増加する。
2:臨海公園。定番デートスポットの噴水は盛大に壊れており、燃える恋心であろうとすぐさま鎮火する。武器アビリティ:火炎を使用した判定に-2の修正がつく。また、「炎上」の変調は発動しない。
3:冠水した街路。溢れ出した汚水が奔流となっており、犬の嗅覚をもってしてもモノビーストの痕跡を追うことは難しい。武器アビリティ:犬を使用した判定に-2の修正がつく。
4:商業施設。水浸しの店内では、大小様々な漂着物がせっかくの仕掛けに絡まり、使い物にならなくなっている。武器アビリティ:罠を使用した判定に-2の修正がつく。
5:水族館。巨大な水槽が破壊され、熱帯魚と泳ぐ貴重な体験ができるが、耐水性の無い装備は被害を受ける。ラウンド終了時に、ランダムなハンター1人の任意のアイテム1つが破壊される。
6:メガフロート。躯体が損傷し、外海へと漂流を始めている。モノビーストは本領を発揮し、神出鬼没に出現する。モノビーストは1ラウンド早く撤退することができるが、ハンターは戦闘から逃走できない。


行動表(1D6)
1:指定分野「社会」。モノビーストは意外なほどすぐ近くに潜んでおり、不用意に排水口に近づいた犠牲者(ハンターの知人だ!)を捕食する。モノビーストの【モラル】が2D6増加する。
2:指定分野「頭部」。モノビーストは殺戮に酔い、潮吹き穴から犠牲者の血飛沫と肉片を噴き上げる。感情属性が【恐怖】になっているハンター全員の【モラル】を0になり、減少分の合計だけモノビーストのモラルが上昇する。
3:指定分野「腕部」。モノビーストは水上施設の隔壁を破壊し、隙間から大量の水とともに入り込もうとする。次の戦闘の最初のラウンドはモノビーストが追加行動を1回得る。
4:指定分野「胴部」。モノビーストは武器が刺さったまま逃走を図り、不運なハンターを水中に引きずり込む。再浮上するまでの間、ランダムなハンター1人は《呼吸器》に部位ダメージを受ける。
5:指定分野「脚部」。モノビーストはハンターの乗るボートを転覆させようと、水中から体当たりを試みる。ハンター全員は《バランス》で判定を行う。失敗すると水面に投げ出され、次の戦闘から逃走できない。
6:指定分野「環境」。モノビーストは水底に身を隠し、当分出てくる気配はないようだ。捜索の間にも、水に浸かったハンターの体温は刻一刻と奪われていく。次の戦闘の間、先制判定の指定特技が《耐寒》になる。


ホラーアクションRPG ハンターズ・ムーン(Role&Roll Books) (Role & Roll Books)

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ハンターズ・ムーン2 スローター・サイクル (Role&Roll Books)

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