ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

ボルダグ 念撃を使う強敵

【パラグラフ121→→→213:死闘・戦果・不死者の呪い】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



どろどろと血が疼き、ざわめく。
ただ立っているだけの相手に切りかかるのはカイ戦士の流儀ではない。
にもかかわらず、かってこのシーンを見たことのあるという俺の中の記憶が警告をならしていた。
ずっと昔、初めてこのゲームブックを遊んだ時、たしか様子見気分でのこのこ近づき……1パラグラフで殺されたのだ……
槍を握りしめ、全身に力をめぐらす。
武術+念撃のボーナス4点を加え、戦闘力点はいまや合計19点。大丈夫、勝てるはずだ。
飛びだした時、そいつの正体に気がついた。赤いマント。むきだしの髑髏そのものの顔と手足。邪悪な笑み。
こいつはダークロードの手先、不死身のボルダクだ!



ボルダク 戦闘力点17 体力点25
1回戦目にかぎり、不意打ちにより戦闘力+2点。
2回戦目以降はボルダクが精神力を使ってくるため、精神防御がなければ戦闘力点−2点となる。


初太刀がすべてだった。1回戦目のみ 戦闘比は+5 、だがそれ以降は+1まで落ちるのだ。
カラスが金切り声をあげ、主に注意をうながしていた。だがもう遅いッ!!
最初の一撃は……乱数表で0! 9よりも上、いわゆるクリティカルヒットだ。深々と槍が敵を貫く!!
敵のダメージ18点、こちらの被害……ゼロ!
この瞬間、勝負の大勢は決した。





ダメージ2点のみで敵を倒し、俺は溶けていくボルダクの死体を眺めていた。
溶け流れた緑の液体は草を枯らし、その下から金貨100枚は下らないと思われる見事な宝石 があらわれた。
ボルダクの持ち物だろうか。
そこに索敵中のジャークの叫びが響いた。グズグズしてはいられない。
ためらわず宝石を拾い上げ、思わぬ温度に俺は呻いた。手に火傷をおい、ダメージ2点を負ってしまったのだ。カイ・マントでくるんだ宝石をナップザックに放りこみ、ジャークの矢を避けて安全な森へ逃げこむ。だが、どうにか敵は撒いたものの藪にはまりこみ、俺はダメージ1点の切り傷を足に負っていた。
今の体力点はわずか 10点 、一桁寸前だ。
なんてこった……
欲をかいたばかりに、5点もダメージ受けるなんてよ……
深い森の中を重い足取りで2時間近く歩いた頃、目の前にソレがあらわれた。

(つづく)