ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ355→→→パラグラフ304:死の驟雨:(死亡・5)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



柔らかな腐葉土に背を預け、互いに致命的な一撃を狙って組み討つ。



ボルダク 戦闘力点17 体力点26


精神防御を身につけていなければ、戦闘力が2点低くなる。
ボルダクに念撃は通用しない。


念撃が通用しない時点で、戦闘比は−3。
楽な戦いじゃあない。
戦闘の直前にボルダクの隙をつき、宮殿で入手したアレサーの薬 小瓶の中身をあける。
これで戦闘比は−1まで上昇し、仕切り直しだ。
ナイフと鉾が激しく鬩ぎ合う。
周囲のドラッカーが手を出す前に、4回戦以内に倒さなければならない。
3合斬り結び、俺の手傷8点に対してボルダクのダメージは19。
流れは俺に向いている。
最後の一撃で7点の奪えば俺の勝ち、出目の確率は3分の1だ。
意識を集中させ、結果は――
「9」
完璧な一撃。
今しも無防備な喉目掛け、バシュナのナイフ が芸術的な弧を描く。
その時だった。




―― 秘 奥 義 ・ サ イ コ ロ 交 換 : 発 動 ――




ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 。。。。。。。。。。。。。。。。




命中する筈の一撃が、あらぬ方向に逸れていく。
……思い出す。
ザカーン私室前で3人の兵と戦ったあの時、俺は秘奥義を使っていた。
『1と、8以上の数字を交換した』のだ。
ここに運命の交換が成立し、クリティカルは完璧なまでに痛恨のミスとなって完結する―― !!
攻撃をかわされ、逆に5点もの痛打を喰らった。
次の一撃で辛うじて殺しきったが、俺のダメージは17点、残り体力は7点……



3重もの輪を作ったドラッカーたちの中心で、俺は、完全に退路を断たれていた。



沈黙が植物園を包む。
続々と押し寄せるドラッカーの援軍は、青銅の大弓で武装している。
死んだように静まり返った世界にあって、すべての物が狂ったように美しく見えた。
バシュナのナイフ を頭上に突き上げる。
「ソマーランドのために!!」
叫びと同時に、夥しい数の毒矢が全身を貫いた。
一瞬、両脚が宙に浮き、背中から腐葉土の地面に倒れ込んでいく。
流れ出る血と命は止め処なく、ドラッカーの残忍な喚声が近づいてくる。
善なるものの無力を嘲るダークロード・ハーコンの哄笑が、俺の耳に届いた最後の音だった。


君の命とソマーランドの希望はここで終わる。



『ローンウルフ5人目 再起不能(リタイア):死因 包囲されての射殺→To be continued 』
(つづく)