ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ8→→→55:修道院の惨劇:(死亡・12)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。


馬上で太陽の剣を抜く――黄金の焔が剣尖まで駆け上がる。
苛烈な陽光が殺到したボルダクたちに降り注いだ。
だが躊躇したのも束の間、異形の刺客たちは悪意に満ちた賛美歌を歌いつつ再び襲い掛かってくる。



ボルダクたち 戦闘力点28 体力点40


マグナカイの動物コントロールが馬を宥め、戦闘力点-3のペナルティを無視できる。
乱数表は「1」、「8」、「1」。
馬上で筋斗を切ると同時に、短刀が一斉に投擲される。
空中で旋回し、太陽の剣が黄金の軌跡を描く。
再び馬の背に着地した時、胸郭を断ち割られたボルダクたちは糸の切れた操り人形のように次々と倒れ伏していった。
カイ・マスターにとっては、只の不死者如き雑魚でしかない。
ボルダクの残骸は、燻るような耳障りな音を立てて泥濘に溶けていく。
この不死者たちは死体めいた姿形こそしているが、元々人間のそれから造り出された訳ではない。
ダークロードの創造した『ボルダクの宝石』を存在の核とし、暗黒の魔力によって擬似的に骨と腱を構成しているのだ。
『ボルダクの宝石』を破壊され、物質化を維持できなくなったそれらは、灼け焦げた長衣を残して消え失せていった。


暗黒の都ヘルジェダドで鍛えられた漆黒の刃は、カイ・マントを貫いて8点のダメージを与えていた。
更なる敵に備え剣を抜いたまま修道院に踏み込むと、噎せ返るような血臭が鼻をついた。
修道僧たちの死体が、恐怖に歪んだ形相のまま無造作に転がされていた。
幾つかの死体は衣服を剥ぎ取られている。恐らくボルダクたちの変装に使われたのだろう。
「何故ダークロードがこんな片田舎の修道院を……」
歴戦の古強者の筈のペイドだが、凶行を目の当たりにして衝撃を受けていた。
タレストリアに侵攻する計画の一部だろう。侵攻が開始されると、潜入していた間諜が後方から攪乱する」
「それではダークロードがタレストリア侵攻を企んでいる事になる!」
「既に侵攻は始まっていると見ていいだろうな…ルーコスの破壊も、ザナールではなくヘルジェダドから指示されたものだ」


ペイドに手伝わせて、ボルダクたちが既に掘っていた墓穴へ修道僧たちを埋葬する。
土をかける作業もようやく終わろうとする時、小さな洋梨形の石が落ちているのに気づいた。
青い斑点がある石の表面は鏡のように滑らかで、小さな見た目に反しかなり重い。
既に特別な品物を12個もっている場合は、どれか一つと入れ替えなければならないが、幸い、特別な品物欄には十分なゆとりがあった。
この天然磁石 を革袋に入れ、無人修道院をあとにする。



通過パラグラフ8(戦闘)→202→55 治癒術の効果:+2点   現在の体力点:23点

(つづく)