そんなわけでまとめ

さて、ここまでのレビューで『ヘルメス夢幻』の面白さが分かっていただけたでしょうか。


死のパラグラフまではどうにか導かれてゆく構成と、クライマックスでの絶体絶命の選択肢。
この2つによって読者は何度もやる気を奮い立たされ『次こそは……』と読む気になります。それぞれの戦闘シーンもかなりバリエーションにあふれており、展開によってはプロトタイプガンダムを手に入れずに戦ったり、自由度の幅も大きく取られています。
さらに死のパラグラフ脱出のヒント探しのため、自然、二度目・三度目と通るストーリーが異なっていくわけです。
やるたびに違う物語をたどるゲームブックの最大の特性にして最大の魅力をシステムに内包しているあたり、『ヘルメス夢幻』の奥深さにうならざるを得ないわけです。


ストーリー・ゲーム性・難易度、そのすべてが最大のクライマックスで集束するこの超絶展開は、やはり何度読んでも拓唯先生らしからぬ神懸かった面白さじゃないかと思います。大変オススメ。
最後にクリアのためのヒントなど。
『死のパラグラフ』脱出のヒントはわりあい近いところにあります。
片方を見つけ出したら、それまで以上に注意深く選択肢を選んでください。


そんなこんなで地上に降り立った主人公とボロボロのガザC。
しかし、エンディングではとんでもない展開に。呆然とする主人公に、軌道上のサザダーンから通信が。
そう、物語はまだ終わっていません。
恩讐の絡み合うストーリーは完結編『エニグマ始動』へつづきます。