『ガンダムゲームブック』の薦めと考察(いたってまじめに)

グルンドゥールの雄姿



『きみは、ヨーロッパ・ロシアに、一人の少女を追う!』――書帯より――



長かった(一回ごとのテキスト量も、書き上げるまでの間隔も)ゲームブッカー養成講座もやっと最終回。
正直くたびれておちゃらけるネタさえ弾切れなのですが、本日は各論の3、完結に向けてストーリーがクライマックスを迎える『エニグマ始動』を取り上げようかと思います。


シリーズ最終作だけあって、迫りくる敵の物量も、バトルの規模も比較にならないスケールの連続。
中盤からはっきり見えてくるテーマの一つは、サイコミュシステムに取り込まれ自我を失っていく強化人間の苦悩と恐怖です。
拓唯先生のディテールにこだわった描写に加えてHJ社オリジナルの膨大な設定も濃密をきわめ、シュペールサイコミュを起動させた主人公が自機と無人マラサイ2機を駆ってただ一人ジムⅢの数個小隊に襲いかかるといったカタルシス十分の見せ場なども用意されているのです。
しかし、同時にダイナミックな物語は『ヘルメス夢幻』で見せたゲーム性とストーリーの見事なハーモニーをも崩してしまっています。


前半がネタバレなしのシーン抽出や描写の力点について、後半がネタバレ含みのストーリーについての感想です。






各論3: 『機動戦士ガンダムZZ エニグマ始動』(ISBN:4938461277)に悶え狂う