「地獄の館」解析

まずは「地獄の館」こと「ハウス・オブ・ヘル」。


雷雨の夜、山中でエンストし、立ち往生した主人公が助けを求める館・・・
しかしそこは惨劇と殺戮の館だった・・・


そんなあらすじで始まるこれは、FFシリーズ中では異色作。
ファンタジー世界タイタンではなく、現代を舞台にしたB級ホラー的な物語なのです。
面白いのは『恐怖点』の存在。
やむなく戦うシーンもありますが、館での最大の敵は姿なき亡霊の恐怖。
ショッキングな出来事があるたび強制的に『恐怖点』がたまり、限界を超えると発狂して即死します。



朕「ところで冒険記録シートにスリーサイズが載ってるのはなぜ?」
B「んあ? クイブレ紳士のたしなみじゃね?」


朕「改変部分はどうですか?」
B「SK氏のイラストが良い!旧作の肉体野郎から英国留学中の女子高生マキちゃんに変更。びしょ濡れのシーンが最高ですタイ!」

朕「あー」
B「それだけじゃない! 萌エロのオンパレード! 原作の恐怖イラストを削って別のシーンにイラスト挟む入念さ」
朕「トータル枚数は一緒みたいだね。館の伯爵も、せむし男も、みなイケメン絵になってますな」
B「野郎はいいの!女子高生の拘束プレイ!」

B「骸骨GJ!」    B「すンばらしい!けしからん指だ!わかっておられる!」
  
B「なにげなくも全快なパンチラ!いやパンモロ!」

B「ふぅ・・・・・・。なんの話してたっけ」
朕「賢者先生には悪いけどイラストの話。旧作との大きな違いとして、ほとんどの絵に主人公自身、つまり女子高生が描かれてます」
B「第三者的に主人公のヒロインに入りやすい。イラスト一つでプレイ感覚は結構変わるね」
朕「萌え化する以上、視点をそっちにあわせやすくするのは当然ですね」
B「逆に本文は、女の子になったことでの若干のアレンジのみ。パラグラフの配置も旧作そのまま」
朕「つまり、原作最大の問題だった『恐怖点での詰み』が残っていると」
B「そ。恐怖点が限界を超えると発狂するルールなのに、初期の限界点が低いと強制イベントの積み重ねでクリア不可能になるアレ」
朕「このあたり、よくも悪くも原作に忠実です」
B「あと全パラグラフチェックしたので、箇条書きで列挙!旧作ファンは違いを確認するがよいさ」



・館へはタクシーで居眠り中、置き去りにされてたどりつく。
・時代設定は現代。でも、ケータイの話は一切でない。
・最初の晩餐のシーンのみ、ワインがミルクとトマトジュースに変更。
でも別のシーンではワインを飲んでる。中途半端?
・サイコロはきちんとページ上部に印刷。これ単体で遊べる。
・拷問時の単語連想テストが易しくなった(ア行の5択→「ア」など)
・主人公が竜宮レナっぽい


朕「あー。まあ武器の大半は刃物だしね。ひぐらしっぽくもなりますね」
B「ていうか、そこが最大の問題」
朕「どういうこと?」
B「あのな。原作は、B級ホラーの主人公的な肉体野郎なのよ。邪悪な悪魔の儀式を知り、阻止するため伯爵を殺しに行くとしても、かろうじてリアリティあるわけ。そこまでに何度も理不尽な目にあってるわけだし」
朕「悪霊や信者に惨殺されまくるからねえ」
B「けど、この『ハウスオブヘル』では女子高生なのよ」



 これまでは動物はもちろん、虫だって殺すことがなかったのに! (パラグラフ383)

B「わざわざ引用したけれど、ここ、8頭の大型グレートデンをかっさばいた直後だからね」
朕「うへぇ・・・」
B「見る間に血の味を覚えていって、最後には儀式阻止とか言いつつ、伯爵と執事をナイフで殺しにいくわけですよ」
朕「逃げまどう執事を追い回すシーン(パラグラフ351)もあるねえ」
B「おもっくそDQN女じゃん!まず脱出しろよ!首謀者を殺すんじゃなく!ひぐら神拳とか言ってる場合じゃないだろJK」
朕「まあ設定はムリヤリだからなあ。でも、喜んで人殺しに行くヒロインってのは最近の流行かも」
B「ここをどう見るかで評価が分かれる気が。あと、イラストがきれいなのも問題」
朕「悪いことじゃなくね?」
B「そーでもない。というのも、原作は挿絵が超ブキミで、恐怖の相乗効果があった。今回、そこはないからね」
朕「だいたい把握した。で?BOB先生はどうなん?女子高生の惨殺劇ことハウスオブヘルの評価」


B「エロかった。よくを言えばもっともっとエロいとベネ(申し分なし)」
朕「結局それだけかよ!感想薄っ!」


B「いや、全般的に良リメイクだと思うよ? 原作の核は改変しないでガワのキャラ設定を変えてるわけだから。旧作既読者も、再プレイすると感覚が違ってきて面白い。続編出たら買うね」
朕「なるほど、了解。新しくゲームブックに触れる読者に言っておくことは?」
B「思った以上に歯ごたえあって、イラスト見るだけじゃなく普通に遊べますよと言っておく。とにかくトライ&エラーが面白いから、鉛筆とメモ用意して遊んでみれ、と」
朕「あと、プレイ前の新たな読者にむけて、攻略のためのヒントを掲載しておきます」


「地獄の館」攻略ヒント


ハウス・オブ・ヘルは何度も遊ぶタイプのゲームゆえ、正解ルートが非常にシビアです。
情報収集が不可欠ですが、その対価で恐怖点がたまり、ショック死が近づきます。
初回クリアはまず不可能なので、最初の1・2回は情報収集に徹するのもありでしょう。
重要なのは3つ。

・クリアをめざす時は、恐怖限界点は絶対に9以上ではじめて下さい
最短ルートでも、恐怖点は8点までたまるからです。
・落とし穴には落ちてください。居間はたしか2回通過した・・・はず。
・最後の対決では、必ず弱いほうから狙うこと。


さあ、ページをめくりたまえ


明日は「その2」としてデストラップ・ダンジョンの解析、ならびにゲームブックの入手法なんかを語ります。