新春ゲームブック論考・その他システムについて

B「多岐にわたるが、パラグラフ構成が双方向か一方向かが、まず大きな分類」
朕「双方向の代表が創元版『ドルアーガの塔』、一方向の代表が『火吹山の魔法使い』、『ソーサリー 魔法使いの丘』あたり」
B「個人的には双葉の『マリオを救え』を一方向の代表に推す……ゴメン嘘ついておりまった」
朕「(無視)ストーリーテリングには一方向がより適しているでしょう。ルパンシリーズなども一方向の代表作です」
B「2作目『ダークシティの戦い』だけは異色だがな。双方向システムで、ルパンらしい破天荒バトルを楽しめる」
朕「双方向はやはりマッピングシステムが肝になるでしょう」
B「特に鈴木直人作品は、遊ぶ側が0から箱庭的世界を構築していく楽しさが最大の売りだと思う」
朕「ケイブンシャの『影の伝説』や双葉社の『メトロイド』のように、パラグラフ付の地図を掲載するものもあります」
B「ドラゴンファンタジーがその発展系だな」
朕「前述『ファイアーロードの砦』はパラグラフごとに詳細なヘックスマップ付だし、富士見ドラゴンブックの『魔人の沼』に代表されるスカイフォール・シリーズは縮尺まで掲載して正確にマッピングできる丁寧ぶり」
B「広大な沼沢地を淡々と埋めながら、生き延びるために鹿や熊を狩って食糧を増やすあの楽しさときたら」
朕「なんかGB版の『モンスターハンター』に聞こえるんだけど」
B「それだァァァァッ!(椅子の上に立ち上がり、中指を突き立てる)それ!またゲットした獲物の肉とかが旨そうに描写されているんだよ。数日分の食糧を一気に獲得したときなど全裸で当選の舞を踊りたくなるほど…『こんがり焼けましたァァァ!!!』」
朕「はあ」
B「津軽弁で言うと『じょんがら焼けましたァァァ!!!』」
朕「…………でも自分が喰われたりもするんだよね」
B「ピタパンに挟まれて巨人の昼飯にされたり、ビーバーのダム決壊させて溺死したり、セントールに射殺されたりもするさ」
朕「それは……面白いの?」
B「個人的に、双方向系のオープンフィールドでもっとも広大なゲームブックだと思う。イベント僅か、マッピング盛りだくさん。考えただけでオラ、ハァハァしてきたぞ!ハァハァ!ハァハァ!(円を描くように室内を歩きまわる)」
朕「……………………」
B「……失礼。楽しみすぎた。話を戻そうか」
朕「マッピングが難しい双方向系も実は多いです。『ネバーランドのリンゴ』やケイブンシャ版『ディープダンジョン2』などは、パラグラフごとの繋がりを頼りにするしかありません」
B「JICCの『ドラゴンスレイヤー』なんかは1パラグラフごとに東西南北のイラストをつけて可視化していたけどな」


朕「イベント管理のフラグ立ても様々ありました」
B「JICC系のチェック管理から、『ドルアーガの塔 魔界の滅亡』の鐘システムのように、途中で数値が書き変わるものも」
朕「古くは『火吹山の魔法使い』で3本の鍵を集め、合計数で宝物庫を開くギミックなのかな?」
B「フラグ系は創元のシリーズが図抜けて進化していったイメージがある」
朕「これも先の展開を隠す系と、選択肢として並べる系の両方があり、どちらも一長一短だったと思います」
B「数値計算させたり隠す系は、進行ミスを招きやすい。反面、先の展開を伏せておけるので興味や緊張が持続するという」
朕「最近の例を挙げると創土社の『魔人竜生誕』でしょうか。逆に海外系はあっさり選択肢に載せる気がします。HJ社のファルコンシリーズなどですね」
B「面白いのはフライデースペシャルの『迷宮組曲』、『リンクの冒険 暗黒トライフォース伝承』があるだろうな。このシリーズは飛んできた前パラグラフが記載されていて、逆引きが可能になっている」
朕「詰まってしまった読者への救済策という意味合いもあるかも知れないですね」