地獄の新春ゲームブック対談・その2

三夜連続でお届けする新春GB対談。
第2回の話題はこんな感じ。

BOB御大の得意分野ということで、色々な意味で脳が絶好調のようです……。

GBにスコア要素を組み込む

朕「チャットでは『凶兆の九星座』が話題になったようですが…ファルコンシリーズへのオマージュでは?」
B「ああいう形式はな。だがあそこまで明確に組み込んでなくても『七匹の大蛇』とか他にもあるだろ」
朕「あー…そうね」
B「大体、スコア要素は推理GBで実装されてるしな。二見書房のホームズ3部作とか」
朕「ホームズの正解率100点に読者がどこまで近づけるか競うシステムだっけ?」
B「同じ二見の『3つ数えろ』も採点システム付きだな」
朕「推理ものとスコア要素は相性がいいのか…」
B「スコア要素と言い切るなら『雪の魔女の洞窟』とか『恐怖の神殿』はストーリーの中での減点方式だしな」
朕「ファルコンシリーズ4巻『時への挑戦』でもあったね」
B「あと忘れちゃならねーのが『怪人ラプリンスの挑戦 悪霊の館』ですともよ」
朕「…タイトル長いな!」
B「最短を競う迷路GBなんだが、最低評価でも『これだけ忍耐力があればキミにゾッコンな女の子が出てくるでしょう』と褒めてくれる」
朕「いやソレ褒めてるか?」
B「『人生は忍耐と努力です。キミのその才能に乾杯!』」
朕「お前の脳に完敗だよ」
B「俺様は引用しただけだけど」
朕「マジで?」
B「早解きの最短パラグラフ数を競うならピラミッドゲームブックとかな!」
朕「あー…後書きにカンニング禁止!とかわざわざ書いちゃうアレ」
B「そんなの俺様の自由じゃねーのか?他人様の遊び方にまで指図したけりゃあJASRACみてーな監視機関を作ったらどうだいと思った」


今後遊びたいGB

朕「読者的に今後遊びたいGBはどういうものなのか…ぶっちゃけBOB的にはどうですか?」
B「ジャンルは現代伝綺人外バトルもの。再読性が高くて遊び方に幅があるシステム。あと複数のライターがシリーズを執筆していく構成」
朕「おお……何かいい感じじゃあないですか」
B「一定の条件を満たすと能力値の強化や使用可能キャラの増加が発生する。ザッピングは勿論、複数の栞を使い、セーブ箇所によってストーリーが変更される」
朕「本当に実現できたらすごいシステムだな…これなら煩型の諸氏にも御納得いただけそうだね」
B「ライターは虚淵玄奈須きのこ。システム設計は芝村裕吏イラストレーターは大槍葦人。そして総監督として剣乃ゆきひろ
朕「……欲望の権化が降臨なさったァーッ!」
B「しつこいようだが『伝奇』じゃなくて『伝綺』ということでよろしくですゥ…フヒヒ!」
朕「……そう言われましても」
B「あと作中で美影身の主人公が頻繁にこんな感じで怪鳥音をあげたりする……おきゃああッ!!!」
朕「落ち着きの無い美影身だなあ……」
B「まあそう言わんと。主人公には芝村だけに膨大な裏厨設定がある訳だ」
朕「はあ」
B「メインストーリーは魔界都市新宿歌舞伎町でキマイラ化したヤー公がチチャーイ錬金幼女とイチャイチャパラダイス」
朕「途中から『龍が如く』みたくなってきましたが…大丈夫なんでしょうか…主にお前の脳が」
B「何だと!これでもエロスは程々で堪忍してやったというのに!」
朕「……まあ『龍が如く』つながりで言うと初期の馳星周東直己原籙石田衣良あたりの作品はGBに合うかもね」
B「ハードボイルドは兎も角エラリー・クイーンみてーな読者への挑戦を謳った本格推理物は案外難しいかも知れんがな」
朕「GBだと謎解きがそのままストーリーへの介入になって面白いと思うけど、トリックを考えるのが大変そうだね」
B「タイアップものだが『X-FILE』のGBも3冊あることだし、『24』とか『プリズン・ブレイク』のGBとかどうよ?」
朕「安直なタイアップじゃなければ、映像作品が原作のGBも面白いだろうね」
B「具体的に言うと『メメント』『ユージュアル・サスペクツ』『キューブ』とかトリッキーな作品に絞る訳だが」
朕「また天才アラーキー的なチョイスだなあ……」
B「あとはニンジャGBかな。キャラメイクで山風忍法を選ぶんだってばよ!」
朕「はあ」
B「ちなみに戦闘システムはドラクエシリーズに見られるダメージインフレシステムなんだが状況によっては一撃死も発生する。三寸斬り込めば人は死ぬのだ」
朕「今度はシグルイっぽくなってきたなあ……」
B「更に成長システムとして五体不満足システムを搭載している」
朕「ブシドーMMOかよ!」
B「いざとなればミツユビオニトカゲを喰って忍法魔界転生なあに、かえって免疫力がつく
朕「………………………」
B「そこで俺様がお前向けのGBを考えてやったので傾聴するがいいぜッ!」
朕「まったく期待してませんが聞くだけ聞きましょう」
B「美術史の闇に迫る衝撃のサスペンススリラー」
朕「おお…『ダ・ヴィンチ・コード』っぽいけどなかなか分かってるじゃあないですか」
B「ちなみにライターが小池一夫せンせいでシステム設計が松友健イラストレーターが叶精作
朕「………………………」


エロス・ザ・GBの歴史

B「エロス・ザ・GBの歴史は人類起源に遡れる程古い。そう言えば火吹山もエロかった気がする」
朕「はあ」
B「まずは『ロシア不正規隊』。さいとう・たかをプロの漫画GB。西側の工作員KGBと暗闘を繰り広げる」
朕「いわゆるエスピオナージュものはGBには珍しい気もするけど…それ以前にエロくなりようがないのでは?」
B「部屋に仕掛けられた盗聴器が天井裏かベッドの下かという選択によってエロくなったりする」
朕「……冷戦期は世界情勢にもファンタジーを投擲していたんだなあ」
B「そしてとどめの一撃はタイトルも直球。『マドンナ学園1997』」
朕「兎に角すごい破壊力のタイトルだ!」
B「いわゆる近未来バイオレンスもの。エロスプリズンと化した女子校にヤマト拳法の遣い手が潜入する」
朕「……それ何て小池作品?」
B「負けそうになると『尻だけは守る』という選択肢がある」
朕「………………………」
B「あと今読めるWeb作品なんかだとモンスターメーカーのGBとかな。冒頭の知覚力チェックに失敗すると女主人公はエロいことをされる」
朕「……銀一郎先生は泣いているよ」
B「言い忘れたがビキニアーマーつながりだと『コミック版アテナ−幻想界の大妖魔−』とかな」
朕「ケイブンシャアドベンチャーヒーローブックスの核弾頭と呼ばれたアレか…」
B「全編通して右へ→崖から転落→アーマーブレイク!脱衣!みたいなパラグラフ構成。嘘だと思ったら右に行ってみるよろし。脱げるから」
朕「脈絡の無い読者サービスだなあ」
B「まあエロス・ザ・GBが全国駅の売店で買えるようになってもらいたいけどな!500円でお釣りが来る価格で!」
朕「エロス関係は兎も角リーズナブルなのは有り難いなあ」
B「そこでGB出版の実績がある二見書房から出す訳ですよ。レーベル名はマドンナメイカー通称MMでひとつ」
朕「また銀一郎先生に戻るのかよ!御老体に容赦無いな!」


クイーンズブレイド

朕「ビキニアーマーと言えばお前が日夜一人対戦に明け暮れているエロス・ザ・GBの急先鋒QBですが…正直どうですか?」
B「新作のメイドがすごく…エロいです…その前にいわゆる1on1対戦GBというと何を思い出す?」
朕「『王子の対決』や『アルカニア城の決闘』とかかな」
B「実際に遊んでみると分かるが、あれらの作品には重大な欠陥があったのだ」
朕「と言うと?」
B「片方が読んでいる間、完全にすることが無くなるんだよ。他の部分が良く出来ているだけに惜しい作品だった」
朕「ムゥーン。コンシューマーならそういうレスポンスのヌルさは回避出来るんだろうけどね……」
B「そこへいくとQBは旧作のロストワールドと同様、あえてストーリーを排して処理を即決してる訳だ」
朕「成る程…処理を軽くして快適性に一点突破した作りなのか」
B「あと正直言って高い。使用頻度の激しいキャラは本が壊れたら買い換える訳だしな!」
朕「………………………」