ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

ルアノンに近衛連隊の旗が翻っている

【パラグラフ55→→→パラグラフ307:翼よ、あれがルアノンの灯だ:(死亡・4)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



何となくで暗闇に隠れた。
ロッコ怖い。
痩せこけた捕虜たちと鞭を振るう山賊をやりすごし、十分距離を開けてついていく。
やがて外へ出た。
左手には森が広がり、線路は鉱石を積み上げた山の上まで登っていく。
成る程、前回はあの頂上から右へダイヴした訳か――
見張りの目を逃れ、ルアノン森の中へ飛び込んだ。



森には山賊の斥候が何組も巡回していたが、カイの知恵に助けられ、遂にルアノン森の南端に辿り着く。
眼下にはルアノンに続く荒野、そして――


鉱山で生活を支えている街の大部分が焼け落ちていた。
かつては商店や民家だった町並が黒焦げの廃墟となり、今や煙の燻る炭の山と……
(中略)……まるで灰色のカーテンのように廃墟にたちこめ……
(中略)……ルアノンは完全に破壊されてしまったかのように思われた。

見渡す限り瓦礫の山。
廃墟と化したそこに鉱山都市の面影は無い。
だが、次の瞬間、俺は希望を見い出していた。
焼け落ちた建物の一角。
残った石塔を中心に頑丈な防壁が巡らされ、塔の頂上には破れた旗が誇らしげにはためいている。
四辺に白いモールのついたソマーランドの旗……国王近衛連隊の騎兵旗だ!!
突然、枝の折れる音がした。
迂闊にも騎兵隊の生存の証に心を奪われていたらしい。
3人の山賊が木の間を這うように進んでくる。
選択肢には「狩猟術を身につけていれば、あるいは、ゴーン・コープへ行ったことがあれば」
『ゴーン・コープ』だと?
『ゴーン・コープ』はワイルドランドの東に位置し、かつて俺が毒殺されかかった村だ。
つまり……連中の持つ槍に塗られているのは……無味無臭の致死毒、ナダーンの樹液。
一撃でも掠めれば命が危うい。
そうと分かれば逃げるのみ。
俺は踵を返し、瓦礫を蹴って駆けだす。
目指すは石塔の防壁。
自由の砦までの距離は……ジャスト1キロだッ!!!

(つづく)