ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

マッケン山脈へ緑の丘が広がっていく

【パラグラフ92→→→パラグラフ132:罠の顎:(死亡・3)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



次の日の正午ごろ、エシュナーの町外れに辿り着いた。
街の南、樹木に覆われ雪の帽子をかぶった丘が、マッケン山脈の頂上へとなだらかに延びていく。
整然とした緑と白のパッチワークは北の荒野と対照的に美しく―――そして、エシュナーの街には似つかわしくなかった。
雑然としている割に活気の無い貧相な街。
その印象は、門をくぐって通りに入るとさらに強まった。
荒れ果てた目抜き通りを進み、休めそうな場所を探す。
やがて、『ピック・アンド・ショベル』 という名の大きな居酒屋が近づいてきた。
10名に減った隊員たちは、この二日警戒続きだった行軍と野営で疲れきり、食事と休息を欲している。



・居酒屋に入るか。132へ。
・通りを先へ進むか。301へ。
・第六感を身につけていれば、210へ。


ゴゴゴゴゴゴ...........



・ 第 六 感 を 身 に つ け て い れ ば 、210 へ。



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。 




無論俺はカイの第六感を身につけている。
だからこそ、エシュナー全体を包む異質な空気に、ただちに気がついた。
この街はとても気 味 が 悪 い
例えば通行人の様子。
先刻から、見かけるのは通りを行きかう女子供ばかり。
成人の男の姿はどこにも見あたらない。
しかも、住人は皆そわそわと落ち着きがなく、明らかに俺たちと目を合わすのを避けている。
まるで街全体が息を殺し、来訪者の動向を監視しているかのようだ。
サバイ。
明らかにサバイ。
この雰囲気は全力でサバイ。
カイの第六感は、可及的速やかにこのうらぶれた街を立ち去るよう俺に告げていた。



・直感に従うか。67へ。
・直感をかえりみず、居酒屋をさぐるか。132へ。
・通りを先へ進むか。301へ。






……って。
分かってるんだよ、その辺は。
けどよォーッ…そういうわけにもいかねーだろーがよォーッ…。
つまり、だ。
これだけ作者に脅されて、おめおめ引き下がれるかっつー話だ。
どうあっても、マグナマンドの創造神様はこの俺をエシュナーの居酒屋に近づけたくないらしい。
そういうことだよな?
ってことは裏を読めば……つー訳だ。
ソマーランド南部で何が起きているのか。
黒幕が誰なのか。
それを解かない限り、この任務は達成できない。
この『謎』の匂いは見過ごせないのだ。
「……部下は守る。謎も解く。自分も生き残る。全部一度にやらなきゃならねーのが『カイ戦士』の辛い所だぜ」
「は?何か言われましたか、ローン・ウルフ?」
ナインが、ダローが、不思議そうに俺を見ている。
「何でもない……お前ら、備えておけ」
「何に、でありますか?」
「あらゆる事態にだ。征くぞ」
腰の幅広剣に手をかけ、馬から下りて歩きだす。行き先は一つだ。
何を犠牲にしても知る必要があった。デュバル隊長の剣 と、その出所について。
だから、俺は行かなければならないのだ。
危険を告げる直感を顧みず『ピック・アンド・ショベル』居酒屋 へ。
隊員たちを引き連れ、居酒屋の観音開きの扉を、押し開ける……



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 。 。 。 。 。 。 。 。 。 。




通過パラグラフ:(120)→92→210→  回復術の効果:+2点   現在の体力点:22点
(つづく)