ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

カルコス

【パラグラフ147:イカヤ突入戦・その2:(死亡・3)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



大広間に侵入してきたのは、獰猛な肉食獣カルコスだった。
カルコスの主食は何とあのバクナーだ。
このカルト最強の捕食者は、同時に途轍もない悪食としても知られている。
俺が塗ったバクナー油を嗅ぎつけたか、カルコスは大きく口を開け、棘のある舌を伸ばして真っ直ぐ襲ってくる。
逃げ場はない。
俺は ソマースウォード を抜き放った。



さて。
ここまで読んできた読者の方々も、かなりゲームブックに詳しくなった……ことと拝見する。
無論当時のプレイヤーは温故知新、懐かしい知識を呼び戻していることだろう。
そこで。
下に抜粋した表示を読んでくれ。この戦闘、どう思う?(ヤマジュン風)



カルコス 戦闘力点10 体力点28
戦いで少しでも 体 力 点 を失ったら、すぐに66へ。
体 力 点 をまったく失わずに戦いに勝ったなら、84へ。


―― ハッ、なんてことない雑魚じゃねーですか?つーか楽勝?
仮にそう見えたなら、アンタは速攻死ぬ。
未熟な冒険者なのだ。
この戦闘は、五分の三の確率で即死だから……である。
俺とカルコスの戦闘比は +16 。一見圧勝だ。
ところが、本文には「体力を少しでも失ったら」とある。
ローン・ウルフシリーズに限らず、ゲームブックの戦闘シーンでこうした指示が意味するものは一つ。
『 即死、もしくはそれに準ずる重大なペナルティ 』だ。
そして、その一撃を喰らう確率は、戦闘結果表で一目瞭然(右端、戦闘比+11以上、を参照)

乱数表で1〜6を出せば(おそらく)即死。
しかも敵の体力点28点を減らすため、運が悪ければ二度、攻撃しなければならない。
ここでは戦闘力を上げるアレサーの実も、体力を回復するラウンスパーの薬も、何の役にも立ちはしない。
祈るような思いで、俺は乱数表を指した……
結果は、4。



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



出すしかないようだ。
「戦いで少しでも 体 力 点 を失ったら、すぐに66へ」飛ぶ前に、14番目のカイの教えを。
俺自身にとっても、限りなく厳しい諸刃の剣を。



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

(つづく)