ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

蛇の紋章

【パラグラフ5→→→113:裏切りの紋章:(死亡・3)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



肉の削げ落ちた髑髏。悪意に爛々と輝く眼窩。
半ば干涸らびながらも邪悪な力で脈打ち続ける心臓に、ソマースウォード が深々と突き刺さっていた。
不死者の甲高い悲鳴が俺のボルテージを最高潮にまで押しあげる。
そうだよ。
その悲鳴が聞きたかったんだよ。
ライガー提督の仇!!!
キッチリバッチリ殺らせてもらうぜェェ!!!



ヘルガスト 戦闘力点22 体力点20
ソマースウォードの威力により、敵の失う体力点は2倍となる。ヘルガストに念撃は通用しない。


戦 闘 比 + 4 。不死すら殺す 太 陽 の 剣
負ける要素が見当たらない。
咆哮をあげるソマースウォード で袈裟懸けに斬り上げ、返す刀で首を刎ね飛ばす。
剣から迸る黄金の焔が、不死者の肉体を一瞬で灼き尽くした。
炭化したそれを踏み砕き、扉を抜けて上層へと駆け上がる。
ヘルガストから受けた3点の傷の痛みが、むしろ戦意を高揚させた。
征ける。
この剣は、そして俺は、いまや不死の天敵だ。
これならば、この旗艦を、牢獄船団そのものさえ沈めうる……ッッ!!



甲板では無数の兵士と不死者が入り乱れ、激しい剣戟の音がこだましていた。
当初の動揺から立ち直り、持ち前の獰猛さを発揮したドゥレナー兵たちが不死者の群れを押し返しているのだ。
と、不意に頭上が真昼のように輝き、信じ難いほど巨大な灼熱の炎の塊が50メートル先の戦闘艦へと落下していった。
爆発音が轟き、真っ二つに裂けたドゥレナー艦から火だるまとなった兵士たちが海面に落ちていく。
火球の飛来した方向に振り向くと、後部甲板に聳える異様な櫓が。
乱戦をかいくぐって辿り着くと、塔の頂上、深紅の長衣を来た猫背の男が黒い杖をかざしている。
胸から下げた水晶の星型のペンダント に目がとまり……俺はすべてを理解した。


―― 私の兄弟子ボナターが禁じられた黒魔術に手を染め、長老の一人を殺して行方をくらましました。
彼はダークロードの手引きをしていたらしいのです。
我々はカイ戦士の期待に応えられなかった―― 


魔法使い教会の盟友・バネドンの語った言葉。
たてつづけに巨大な火球を操りドゥレナー艦隊を沈めていくこの男こそ……ダークロードに寝返り、カイ戦士の虐殺に手を貸した祖国ソマーランドの裏切り者。
豪奢な深紅の長衣にあしらわれた、見覚えのある蛇の紋章
数々の刺客を差し向けて俺の任務を妨害してきた黒幕……死の牢獄船団の指揮官……ボナターなのだ!!
こいつを倒すことで牢獄船団は沈み、すべてのケリがつく!!!

(つづく)