ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

乱数表。サイコロの代わりだ

【パラグラフ275→→→272:初陣】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



とっさに道端の大きなシダの陰に飛びこんだ。
復讐を誓ったばかりの心臓がみっともなく高鳴っている。
黒い影の正体は有翼獣クラーンで、今もその背にやりを握った醜悪な妖怪マウンテン・ジャークを2人乗せていたのだ。
始まったばかりで、無駄な戦闘による消耗は避けたい。運に任せて乱数表を指し示す。
数字は……7だ。
見つかったのか、どうなのか、指示されたパラグラフへ飛ぶ!
(右上が乱数表の写真。目をつぶり、鉛筆など尖ったもので表を指して数字を決める)



俺が目にしたのは、道に舞い降りたクラーンと槍を構えて迫るジャークだった。
見つかったのだ!
逃げるか、戦うか。恐怖心をふっ飛ばしたのは2つの打算だった。
ダークロード軍のなかで最弱の敵ジャークを倒せないようでは先に進めやしないという計算が一つ。
もう一つは、敵が手にしたやりだ。涎が出るほど欲しい俺の得意武器を敵が持っている。よ、よこせェェェ!!
「あばばばばばばァァァ」
とりあえず叫び、口から泡を吹き、しかし失禁はせずに半ギレモードで敵を迎え撃つ。



ジャーク1 戦闘力点13 体力10
ジャーク2 戦闘力点12 体力10


こっちには念撃だってある。戦闘力点の合計は17点。敵との戦闘比は+3と+4。かなり有利だ。
初の実践で血管がはちきれそうになり、狂ったように乱数表を突き刺しまくる。
うぉぉォォ、や、やややッ、殺ってやるぜぇェェェ!!!
邪魔する奴は、ぶっ殺死!






勝った。
勝ちは、した。
ジャークの死を見て、クラーンは逃げていった。完全な勝利を得たのだ。
だが……俺は血みどろだった。自分の血で。
初陣だからか、のぼせすぎた。2とか4とか信じられないほど低い数字が連発。結果、体力点を8点も失った。
あっけないほど、ざっくりと。
転がった2つの遺体から剥いだ戦利品―やり 短剣 金貨6枚 ―と引き換えに、俺は体力点を 15点 まで落としてしまったのだ。
そして、弱りきった俺は回復術を身につけておらず……治療の見込みは、なかった。

(つづく)