ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ4→→→パラグラフ224:ノーフューチャー狼:(死亡・15)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



理不尽すぎる ネ申 展 開 に打ちのめされ、馬上で呻吟しつつ、黎明の草原を疾駆することしばし。
ゆるやかな起伏が傾斜しはじめ、徐々にブロール川めざして下っていく。
探索の出だしとしては悪くない。通常ならば、だ。


しだいにつのる曙光の輝きが、グレイゴール皇子から気をつけるように教わった目印を
判別する手がかりとなり、捨てられた銅の鉱山にほど近い浅瀬へ愛馬をみちびく
手助けとなる。


じゃかまッッしいわ!
地理を教える前に武器をくれっつーの!
同情するなら武器をくれっつーの!
もうなんだ、怒りだ。怒りしかない。
江原さん云うところの怒髪天のオーラが体内を荒れ狂う。
グレイゴール皇子という名前を聞いただけで狼の逆鱗が反応してしまう程にだ。
ともかく指示は的確だったようで、午前のうち、放棄された一群の鉱山小屋と浅瀬を見わたす峰にたどりつく。



上級狩猟術を身につけていて、プリンシパリンの階級に達していれば、324へ。
方向認知術を身につけていて、チュータリーの階級に達していれば、241へ。
どちらの技術も身につけていないか、階級に達していなければ、108


そして的確に待ち伏せされていた。やれやれだ。
両眼に備わるマグナカイの上級狩猟術の力が、はるか彼方へと意識の焦点をあわせていく。
無人に思えた小屋の一つで、ちらりと窓辺をかすめる人影を見た。
深紅の衣装、光をはじく鋼の業物。おおかた敗走兵、ドラッカーのレンジャー部隊だろう。
選択は2つ。
流速が早いブロール川を徒歩でわたれるのはこの地点のみ。危険を承知で踏み込むか、より下流で川をわたるか……だ。
「ムゥーン」
イライラが頂点に達しているおかげでイベントへの反応も鈍い。
いやねー。俺さァ、丸腰だし。どっかの糞(ファッキン)プリンスのKYっぷりのおかげで。
弓?
あるよ、あるけどね。一応。近接戦闘じゃ丸腰と同じ扱いでね。今の俺は戦闘力−4のペナルティつきなのだ。
戦闘って武器奪取が一番クレバーだけど、体力13、戦闘力18でいけるの?って話もあるし。
ようく考えて、少しだけ先をのぞき見ることにした。
このまま踏み込むとどうなるものか。ゲームブック業をもって、因果の流れ、のぞかせてもらうっ!


「秘 奥 義 ・ 指 は さ み ノ ゾ キ !!」


久しぶりに、自覚的にこの業を使う。
もともと、このズル技は選択肢が多いときに指をはさんで必要なパラグラフを総まくりするものなのだ。
・・・・・・クローン戦のときに使っときゃよかったよ、ホント。
さて。
マグナカイの教えで待ち伏せを察知した場合、選択肢自体が有利に変化する。
きつい連戦でも先んじて弓で攻撃できたり、ペナルティを受けずに奇襲に対応できることも多い。
今回のケースは果たして……?


 最初の丸太小屋が近づいた時、危険を感じるかのように馬が後足だちでいななき……
(中略)……叫び声があがると、大気を裂いて豪雨のように矢の雨が降りそそぐ。

「乱数表」を指せ。


教えの向上なしだと、いきなり乱数表で生死判定だ。それも3択だから、即死含みのキツイ罠らしい。
さいわい、狼は待ち伏せを知った上で突入できる。
となると・・・?


馬に拍車をかけて斜面をくだり……(中略)……豪雨のように矢の雨が……(中略)……
1本が馬の首に埋まり、もっとも近い小屋からどっと伏兵がこちらに押しよせてくるのが
……(中略)……敵の数人は、ふたたび弓をつがえようとしている。

  弓をもっていて使いたければ、131へ。
  浅瀬を歩いてわたり、逃げようと思うなら、166へ。
  武器を抜いて戦いにそなえるなら、251へ。


「ってオイ、馬死んでんジャン」
思わず叫ぶ俺。
本体の俺は丘に身を伏せ、馬を休ませつつ、因果の流れに指をはさんで独り言の真っ最中。
傍から見たら季節の変わり目に出現するアブない人だ。
すいませんね、ムズかしいお年頃で。
ていうか、結果は大差ない。スゲー逃げにくそうな状況に追い込まれてやがる。
よく見れば、選択肢の飛び先パラグラフも全部一緒。
ここでは待ち伏せを知ったところでたいした恩恵を得られないらしい。
もしかして弓で殺せるか―― 一縷の希望をかけてのぞく。


放った矢は……(中略)……射手の胸に埋まり、すぐに君は向かってくる5人のうち
弓で武装している2人に注意を向ける。

  この2人を弓で攻撃しようと考え、少なくとも2本の矢が残っていれば、344へ。
  浅瀬をよこぎって逃げるつもりなら、166へ。
  弓をかついで武器を抜くなら、251へ。


ゲエーッ!
1人殺してさらに5人もいるじゃねーの。しかも弓兵までそろってる。
『少なくとも2本の矢が残っていれば』ってあたりが実に巧妙だ。これで全員を射殺せるほど、マグナマンドは甘くない。
鎧をきた敵が5人だぞ!
もののけ姫のアシタカじゃねーんだ、一矢で3人づつ射抜くなんて芸当できやしない。
二人殺して3人のドラッカーと丸腰(こっちの戦闘力点−4)で激突。
ハッパは潤沢だから負けやしないだろう。が、このシーン、勝っても武器入手がせいぜいだ。
たかが武器入手でハッパ使用はありえない。
となれば結局、敵前逃亡の一択だが……ちらっとチェックする。


166.
 4分の3ほど川をわたったとき、1本の矢の軸が 首 に 刺さり、君を水中に打ち倒す。
「乱数表」を指せ。
 0は10として数え、上級狩猟術を身につけていればその数から2を引くこと。







「さーて、下流へ行こっかな、と」
なにごともなかったように、パタンと因果の扉を閉ざす。
俺は何にも見ていない。見えなかったッ。ただちょっと、目にゴミが入ったから引き返すだけだッ(ナランチャ面で)。
いや本当なんだろうね。
恐ろしいね、世界の悪意。弱肉強食の不条理世界だね。愛はどこにもないよね。流血と虐殺はあるけど。
容赦ない未来の仕打ちに、正直めまいがしていた。
スゲー。水に落ちた犬を叩くとはこのことだ。選択肢がことごとくエゲツなさすぎる。
本文に書いてあったよ。「まだ弓兵が二人いて」って。その時点で気づくべきだったんだなァ・・・。
待ち伏せそのものを回避すべく、浅瀬の小屋を背にして遠ざかり、狼はブロール川沿いを下っていった。



通過パラグラフ:(4)→224  治癒術の効果:+1点   現在の体力点:13点
(つづく)