ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

シンザールが自分の軍隊を怒鳴りつける

【パラグラフ319→→→パラグラフ96:乾坤一矢:(死亡・15)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



塀越しに見えないのは俺も狙撃手も同条件。
しかし、この時すでに狼の脳裏には敵の位置がインプットされ、射程の微調整まで済んでいた。
デュアドンの弓を引き絞り、立ち上がると同時に矢をリリースする。
乱数表チェックさえ不要。必殺の一撃だ。
貫通した喉から血と喘鳴をごぼごぼと漏らす敵が2階から転落するとき、俺はすでに落下地点へ走り出していた。
うつ伏せの死体を蹴って裏返し、物色のためナップザックを切り裂く。



  剣  ナイフ  弓  毛布  矢筒  3本の矢
  16ルーン(金貨4枚に相当する)


悪くない。
矢を補充し、ルーン硬貨を革袋におさめて先を急ぐ。
ついに敵影もまばらとなり、戦闘の煙と轟音に紛れ、俺はセザ中心部の広場へたどりついた。
剣戟さえも遠いこの地に、予備兵力が喚きつつ待機している。
50匹のクローン……無傷の一個師団。
残存兵力の正体は、モガドールの森に生息するおぞましき亜人類だった。
そして奴らの眼前に、狙うべき首級の姿が。
―― 灼熱の金属を鍛えあげ、魔力の炎をまとう長大な戦闘斧、オグ・コア・ガッガズ。
―― 短く黒い顎髭をたくわえ、頭髪を剃りあげた浅黒い巨漢。
シンザール男爵その人だった。
橋で戦った死の騎士といい、ハマーランド山賊領では斧が基本武器らしい。
男爵自身の体重の倍はあろうかという戦斧を爪楊枝のように振り回し、クローンを整列させようと怒鳴っている。
千載一遇の、奇襲のチャンス。
とはいえ。



  弓をもっていて使いたければ、96へ。
  弓をもっていないか使いたくなければ、73へ。


祈りを捧げ、音もなくデュアドンの銀の弓 を肩から下ろす。
味方の足音さえ届かぬここは文字通りの敵の本拠地。
戦力比、まさに1対51。
射損なったが最後、シンザール男爵自らが率いる50+1の怪物部隊と正面きって単騎決戦を挑む羽目となる……
だが、クローン部隊の前を闊歩するシンザールは、分厚い鉄鎧で全身を固めていた。
唯一狙いうるの部分は、むきだしの頭部のみ。
この一射に、狼の生死が託された!


 冷静に矢をつがえて引きしぼり、シンザール男爵の首筋、うなじの急所を狙う。
「乱数表」を指せ。
 射撃に関するボーナスを持っている場合、それをすべて加えよ。

  0から7なら、9へ。
  8以上なら、272へ。


―― 運命の乱数表、その結果は、「7」だッッ!!


通過パラグラフ:(319)→36→296→155→96 治癒術の効果:+4点   現在の体力点:21点
(つづく)