ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ286:死線 ―― 犬神殺し:(死亡・14)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



絶望のあまり眩暈を起こしそうになる。
それほどの神威。それほどの規格外。
当然だ。このデーモンロードこそはダークロードに匹敵する闇の王ナールの落とし子。
そもそも、常命の者に倒せる相手ではないのだ。
しかし……活路は常に存在する。どれほどの絶体絶命の局面であれ。


  デーモンロード・タガジン  戦闘力点45  体力点65

 この超自然的存在には念撃は通用しない(念波動は通用する)。


  タガジンの体力点を20点以下に減らすことができたら、ただちに戦いを
中断し20へ進め。


本文を注意深く見やり、デーモンロードの力量を推し量る。
つまり、ここでは敵の体力を45点奪えば、実質的な勝利をもぎとれるということ。
ザカーン戦と違い、最低限、念波動は通用すること。
太陽の剣を佩いた状態で俺の戦闘力点36点。念波動を上乗せして40点。
体力点がほぼ2倍のタガジンに肉薄したければ、持てる手段すべてを使うほかない。
即ち……アレサーの重ねがけのみが、一縷の望みなのだ!!


アレサーの実を食らい(戦闘力+2)――
劇的な変化を遂げていく筋肉に、さらにアレサーの薬をドーピング(戦闘力+2)――


因果律への干渉なく勝利を手にしてこそ、真の神殺しと言えよう。
それゆえ、ここでは危難に瀕してゲームブック業を発動させるつもりなど毛頭ない。
ただ不退転の決意を持って臨むのみ。


戦闘比−1。
これが、狼の頂点だッッ―― !!
異常なまでの膂力をみなぎらせた俺の変化を感じ取ったのだろう。
エクトプラズムで造られた四肢をたわめ、犬神が俺の喉笛をかっ切らんと跳躍してくるッ!
ここより先は死域。
乱数一つ、些細な悪運一つが狼の命運を刈り取る死神の鎌となるだろう。


  まずは踏み込んで互いに一撃を交わし合い(乱数表5)、
  間髪入れず太陽の炎を浴びせつつ充分な深手を追わせた(乱数表6)。
  だが、続く3ターン目、4ターン目ともに一進一退の攻防が続き(乱数表3)、
  体力で劣る狼がじりじり追い込まれていく(乱数表3)――


4回戦を終え、大きく剣をなぎ払ってタガジンを突き放す。
つかのまの間隙、双方の体力を確認した。
ここまで被ダメージは念波動の消耗込みで21点、タガジンのダメージも同じく21点。
狼の残り体力は11点。すでに危険水域に踏み込みつつある。
まだだ。
まだ圧倒的に速度が足りない。殺意も天運も足りていない。
ここからさらに数段ギアをあげていかなければ、単独での神殺しは為し得ないッ!!


  タガジンの爪をかいくぐりつつ腹部を大きく斬り上げ(乱数表8)、
  首筋をかすめる牙をものともせずに追撃を浴びせ(乱数表6)――


戦慄とともに、遠すぎる彼我の戦力差をようやくにして認識しえた。
6ターン終了のこの刹那、狼のダメージ累計は28点に届き、絶望の始まりを告げる。


残り体力はわずかに5点。
体力点6点を切ったこの瞬間から念波動が使えなくなり――
タガジンとの戦力比は、瞬時に−5まで悪化したのだ。


だがしかし。16点のダメージを追加して、タガジンの受けたダメージ累計も37点に達していた。
あと3点を切り崩せば、不死なるデーモンロードを倒すことも叶うだろう。
咆哮とともに、乱数表を深々と突き刺す。


  最期の一撃、渾身の力をこめて太陽の剣を振り下ろす。
  灼熱の軌跡を残し、まっこうからタガジンとすれ違う(乱数表5)。


―― 狼の運命やいかに?



通過パラグラフ:(286(戦闘) 治癒術の効果:0点   現在の体力点:――点
(つづく)