ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ278→→→パラグラフ142:罪人の庭:(死亡・13)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



両手を挙げ、一合もまじえず守備隊に降伏する。
ここでは降伏のみが唯一の選択肢だと、歴戦の勘がゴーストのように囁くのだ。
というのも、ここでは本文に敵の数が書かれていない。
タホウ丘陵での「6人のドゥームオオカミ乗り」などのように、そもそも戦闘が成立する敵は人数が表記されていることが多いのだ。
不特定多数とやりあう場合、圧倒的な物量によって押し潰される可能性が飛躍的に高まる。
もう一つの計算は、捕まっても死ぬことはないだろう、ということ。
最初に牢にぶち込まれたとき、「ネクサス」又は「念波動+プライメイト」を持つ者のみ脱出できた。
この巻から始める狼にとっては、脱出の可能性が非常に低いことになるのだ。
恐らく、もう一波乱ある。
そう信じて従順に武装解除し、守備隊に身柄を連行されていく。
・・・事実、もう一波乱あった。それもすぐさま。


 再び君は軍曹の前に連れ出された。
 彼は君を罵倒し、剣の柄で頬を殴りつけ、血塗れになって茫然とする君を
あとに去っていく――体力点を 2 点 失う。


「何でだよ!」
素直に捕まったのに何て仕打ちだ、と思わずツッコミ。
治癒術も追いつかず、ようやく20点の大台近くまで戻ってきた貴重な体力が1点減ってしまう。
まあいい。
4名もの武装兵が牢の前に直立不動で配置されるが、カイ・マスターの力量を思えばようやく相応の警備になった程度だ。
何より2度脱獄できるとは(パラグラフの数的にも)ありえないと思うのでね。
しばし仮眠して体力を回復しようと――


槍の柄で突かれ、眠りから叩き起こされる。
……(中略)……
手と足を鎖で繋がれ、南門の傍で待っている幌馬車に投げこまれた。
馬車は無謀な速度で走りだし、やがて目的地に着くころには、君は打撲による痣だらけに
なっていた……体力点を2点失う。


苦難は連続する。
またしても体力−2。じわじわ削れていく体力が恨めしい。
結局、ほんの1時間眠っただけで、深夜のうちに護送され、治安判事長のいる裁判所へと護送される。
速やかな手続きによって送りこまれた裁判所は、威圧感のある灰色の建物だった。
殺風景なむきだしの壁は、この場所の冷たい目的を思いださせる。

過酷な刑が言い渡される―― この場所で、日々、刑罰と処刑が下されていくのだ。

全ての裁判は治安判事によって行われる。
陪審員のいないタホウではすべての裁判を治安判事が取り持ち、その決定が最終のものとなる。
―― すなわち、上訴の許されぬ一審制なのだ。
さらなる恐怖が俺を襲う。


治安判事の長が君を裁くと知り、君の心は沈んだ。
判事長が統括するのは、死刑に値する非常に深刻な犯罪なのだ。
懸命にもがいたが、手枷のせいで武装した護衛から自由になることはできず、君は
守衛の手で法廷に引きずりこまれ、判事長が座る椅子の前にそなえつけられた鉄の
檻へ、うつ伏せに押し込まれた。


「死刑だと!巫山戯るな!無実の罪で投獄しやがって!」
「黙れ罪人が。よくも俺の部下を殺してくれたな」
「あれは言うなればザ・正当防衛だ!」
俺を引っ立ててきた軍曹が猛り、頭をぐいと押さえつけられた。
裁判官の到着を告げるベルが鳴り、書記の一団に囲まれて判事長が法廷に入ってきた。
頭を押さえつけられ、どんな相手か確認しようもない。
判決はすみやかに下されるだろう――
内なる声が響き、背筋が凍りつく。
ベルがもう一度鳴ると、書記は声を揃えた。
「ただいまより開廷する」



通過パラグラフ:(278)→162→227→142  治癒術の効果:+3点   現在の体力点:18点
(つづく)