パンズ・ラビリンス

(これまでのお話)
B「中の人などいませんッ!いるものですかッ!」(ブリリアントルームから声)
朕「……………………?」
B「紙は使い切ったけどいいよね?答えは聞いてない」(大量のエロムックを抱えて降臨)
朕「普通によくないよ……あと一応聞いておくけど何時の間にそれだけ買ってきてるの?」
B「このドアを一歩潜ると其処は異界……とらのあな池袋店3F同人誌コーナーに通じているという」
朕「それはついぞ知らなかったなあ……」



1944年、内戦終結後のスペイン。
フランコ将軍の圧政に反発するゲリラたちが山地に潜み、軍と血腥い戦闘を繰り広げていた時代。
童話を読むのが大好きな少女オフェリアは、臨月の母親カルメンと山中の駐屯地へと長旅をしていた。
駐屯地には母親の再婚相手―― フランコ将軍麾下のビダル大尉と彼が率いるゲリラ狩り部隊がいた。
冷酷なファシストの大尉は、母親の体調よりも生まれてくる「息子」が心配なようだった。
新しい父親に馴染めないオフェリアだったが、大尉の小間使いメルセデスは優しく、すぐに打ち解ける。
その夜、オフェリアはメルセデスが大尉の主治医と密談している現場を目撃した。
二人はゲリラの協力者として、物資や情報を流していたのだ。


真夜中、寝付けないオフェリアの前に小妖精が現れ、オフェリアを庭園にある古い迷路へと誘う。
迷路の底で待っていたのは山羊の角持つ牧神パン。
パンはオフェリアが地下にある魔法の王国の姫君モアナだと言い、オフェリアに「道を標す本」を与えた。
満月の晩までに「道を標す本」の三つの試練に耐えれば、魔法の王国に帰ることが出来るというのだ……。


(以下ネタバレ)

朕「何とも悲しい結末ではありましたが……ぶっちゃけどうですか」
B「うおおおん。おおほいほいおおほいほい」(嘘泣きしつつ)
朕「意味が分からない上に怒りを覚えるリアクションだよね」
B「しかし客層がアレだ。いかにも文化人でございって感じだな」(鼻をほじりながら)
朕「まあ……わざわざ面白Tシャツ着て観に来たのは多分お前だけだと思うよ」
B「ある意味ニアピンで代官山オシャレ不惑決めやがった、みたいなッ!」
朕「場内で不惑発言はいけないと思います!」


朕「ギレルモ・デル・トロ監督でアルフォンソ・キュアロンがプロデューサーという当初からかなり期待できる制作陣だった訳ですが…ぶっちゃけどうですか」
B「ストーリー的にはむしろキュアロンの持ち味が出ていたのを評価したい」
朕「デル・トロは『ブレイド2』とか『ヘルボーイ』とかで技巧派傭われ監督のイメージが強くて不遇なんだけどね……」
B「テーマは苛酷な現実からのファンタジーへの逃避ってことになるんだろうが…現実逃避とか安直なカテゴライズと拒否反応は本質を見失うんだぜ」
朕「まあ……現実に抗する術として少女が逃げ込んだ先のファンタジーが決して美しくはない辺りが悲しいよね。あと大尉の美しい国的ファンタジーはむしろ現実を侵食していくような」
B「そこはまあファシズムこえーザッザッザッってことで」


B「オーケンも書いてたがビダルサスーン大尉はスラッシャームービー向けのキャラだったな。後半『殺し屋イチ』の垣原組長みたくなったし」
朕「パンを筆頭としたイヤクリーチャーズを凌駕する怪物、として描かれているよね」
B「ファシズム全開の『かわいがり』に不覚にも萌えた。酒瓶で撲殺がデフォルトとは知らんかった」
朕「まあ……今年の裏流行語だしね……」
B「貯蔵庫でゲリラを拷問するシーンは空白の20分があるとよかった」
朕「はあ」
B「ゲリラ捕まえといて『待っていた、お前のような変態を…』とかハァハァすんのな」
朕「はあ」
B「しかる後妙に艶々した顔の大尉が貯蔵庫から出てくる。入門2ヶ月の新人ゲリラ死亡確認」
朕「……………………」
B「せっかくだから炎上する駐屯地で生き別れの弟と戦ってほしかった」
朕「はあ」
B「兄より優れた弟など存在しね〜!俺の四股名を言ってみろォォォ〜!」
朕「やめたげて!これ以上角界ディスるのやめたげて!」


B「クールダウンがてらちょっとう@こ」
朕「……………………」
B「ゲゲーッ!このドアはかわいがり繋がりで1FのBLコーナーに通じていたアッー!」(ブリリアントルームから声)
朕「GACHIMUCHIハードかよ!多分だけどニッチな上に色々抵触しすぎて間違いなく置いてないよ!」