ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【設定・世界の敵たち:(死亡・12)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。


ここからは2度に分け、マグナマンドの世界と8巻までの登場人物をおさらいします。
遂に人類に宣戦布告し侵攻を始めた邪悪なるものたち。
狼が力を増すにつれ、カイ戦士抹殺に差し向けられる敵も更に凄みを増していきます。
以前書いた 【リプレイ151 登場人物その他】 につづくマグナマンドの基本設定の紹介です。



・ジャーク


彼らはダークロードの創造した中でも最下層に位置する生物です。
人よりも獣性の勝るジャークは、凶暴な兵士であると同時に従順な奴隷です。
瘴気の満ちたダークランドで魔都ヘルジェダド建設に携わった結果、体力のある者以外は淘汰され、頑丈な現在の種となりました。
彼らの用いるジャーク語は、非常に簡略化されていることから、ダークランドの公用語になっています。

同じように、ドゥームオオカミもジャークの乗り物として屡々使われます。


・ドゥームオオカミ


・ゴウルガ


ソマーランド南部に接するマッケンマイアー沼に生息する肉食爬虫類。ちなみに彼らの好物は人肉です。
それなりの知性と巨体が繰り出す膂力も脅威ですが、真に恐るべきは彼らの体から放たれる揮発性の油がジャークの感覚を麻痺させ、凶暴化させること。
ウルガスの匂いは臆病なジャークから『撤退の捻子を外した』状態を作りだすため、ダークロードに重宝され、部隊長などとして雇用されています。


ドラッカー



ダークロードとその眷属に組する(従属する)人種。

マグナマンド世界では、人類の起源はひとつではありません。
ドロダール人、古マギ人、シャンティ人、ウルナー人……etc,etc
ソマーランド人が太陽神カイに送り込まれたように、人々は種族ごとに全く違う起源を持っているのです。
ドラッカーは早くから破壊と殺戮を好む種族としてマグナマンドを席巻しましたが、その後ダークロードの創造とともにその力を恐れ、同盟を結んで彼らの元に下りました。
戦場では無慈悲さと残忍さで知られ、戦功――殺戮によって階級や能力も様々です。


・ボルダク


不死身のボルダクなどと形容されるダークロードの尖兵。
長衣の下は剥き出しの骸骨で、精神攻撃などを身につけた者もいます。
「不死身」の二つ名は、彼らがボルダクの宝石 と呼ばれる魔石から生みだされた超常の存在であることに起因するようですが、実際は不死ではなく、冷たい鉄で(或いは定命者の手でも)殺すことができます。


・ヘルガスト


ダークロードの創造した最悪の存在。
本物の「不死者」であり、通常の武器では傷さえ負わすことはできません。
ただ魔法の武器だけがこれに対抗できます。
その能力も幅広く、精神攻撃、不死性の他、自在に人間の姿に擬態することができます。
8巻で狼を大いに脅かしたナーグのヘルガストのように、ダークロードの信頼を得て対立する国家に潜入し、陽動などを画策します。
魔力の焔を撃ちだす鉄の錫杖を好んで使うのも特徴でしょう。
本来の戦闘形態では全身の皮膚が剥げ落ち、おぞましい姿を顕わにします。


・クラーン
・ズランビースト


いずれも翼ある巨獣で、大量かつ素早くジャークなどの戦力を運ぶのに用いられます。
戦闘力も高く、急降下して鋭利な嘴で敵を粉砕したり上空から岩を落下させるような戦法もとります。
ズランビーストの方が一回り大きく、更にインペリアル・ズランビーストと呼ばれる特大の翼獣は20柱のダークロードその人の乗騎として使われます。


・クリプト・スポウン


不定形の姿をとる原初の混沌。
20柱のダークロードらが戦闘の際に召喚することもあります。
群体で出現することが多く、触腕を伸ばす泡だった脳髄にコウモリの翼や吸盤を生やした形状をとることが多いようです。
ダークロードとの戦闘では、まず彼らが召喚するこうした下僕を倒さねばならないでしょう。



・20柱のダークロード(さらに補足説明)


前回 【リプレイ151 】 のダークロードに関する説明の続きです。
各20柱(現在は17柱)のダークロードは、それぞれダークランドで治める都市の名を冠して呼ばれます。
曰く――
カーグのダークロード・ザガーナ
アールナクのダークロード・ハーコン
モズゴールのダークロード・ナーグ

そして、今なお復活を目論む最強の存在


ヘルジェダドのダークロード・バシュナ――


ヘルジェダドは極めて巨大な都市なので、8つの巨大な城塞に分けられており、それぞれをダークロードが統治しています。
現在、ダークロード・ナーグが全軍を率いており、大君主(アーチロード)の座におさまっています。
大君主はザガーナ→ハーコン→ナーグと変遷し、ダークロードはたびたびカイ戦士に苦渋を舐めさせられているのです。


ここまでがダークロードとその闇の眷属たち。
しかし、ローン・ウルフの敵はこれだけではありません。
邪悪に組する裏切り者の国家――バサゴニアもその一つです。
ダークロード・ハーコンを滅ぼし、闇の半神たちとの同盟を危うくした狼に対して、現皇帝ザカーン・キマーは恨みを抱いています。




・シャーナジム


バサゴニアの正規軍。曲刃のサーベルを携え、勇猛果敢な戦いぶりを見せます。
狼もまた『マグナカイの書』を巡る冒険で、熾烈な戦いを彼らと繰り広げました。
兵卒・士官・伝令……
そうしたどの階級にあっても、彼らの戦意は衰えを知らないのです。


・エリクス


蒸気を吐くような鳴き声を出す、巨大なマッケンの山猫。
マッケンマイアー沼に棲まう恐怖の一つですが、バサゴニア兵はこれを訓練し、戦闘や見張りに使います。
物音を立てず潜むため、帝都バラキーシュの宮殿内にも番猫として飼われていました。
鬼火を放つ緑瞳と優美なまでの跳躍は対峙するものにとって脅威そのものです。


イチカ


バサゴニア兵にとっての航空兵力。
鋭い嘴と鉤爪を持つ巨鳥は純然たる戦闘力の塊で、バサゴニアでは一部の士官や伝令がこれを騎乗に用います。
その際、人に馴れない気性を抑えるため瑪瑙のメダル が使われるようです。


・アカタズ


ドゥームオオカミなどと同等の戦闘犬。本来野生の獣ですが、主にバサゴニアのシャーナジムらが訓練して戦いに使います。
単体の戦闘力もドゥームオオカミより上で、決して侮れない存在でしょう。


終局の決着へ向け、マグナカイ探索の妨害を胸に秘めて、こうした敵が次々と狼を襲います。
9巻以降はダークロードも結束し、その脅威は計り知れないものとなるのです。
……以下は番外編。
厄介だった敵や、厄介だった敵のアイテムなどをあげていきます。



・マオウク

実に鬱陶しい、バサゴニア皇帝ザカーン・キマーの番犬。狼を捕らえようとする忠実かつ執念深い仕事ぶりと、どうやっても殺すことのできない邪魔臭さが、プレイヤーのストレスを誘います。
彼の投げる投げ矢はときに乱数表チェックもなく百発百中の精度を見せるのです。
存在感ある敵でしたが、実はイラストがありません。いとあはれなり。


・バシュナの従者たち


かつてマッケンゴーグでソマースウォードに斬り殺されたダークロード最強の一柱バシュナを今も崇め、その復活を目論む悪の信徒が彼らです。
復活に関わるアイテム、バシュナのナイフ を狼に奪われた後も、彼らは活動を続けています。
実は次項と同じく、バシュナの従者もまた次なるステージの敵なのです。


・セナー・ドルイド


セナー人からなる、裏切り者のドルイドの一族。
「次なる敵」です。
やがて来たりくる決戦の日に狼がダークロードを打ち破り――
マグナマンドに善の力が満ちた時、闇の大神ナールの尖兵としてカイ・グランド・マスターに挑んでくる敵。
その起源は非常に古く、ダークロード発祥以前、地獄の王アガラシュを打ち滅ぼした古マギ人たちと争い、これを大疫病で壊滅させたほどです。
しかし、善良なるドルイド――ハーバル人によって疫病は食い止められ、敗れた彼らは長らく潜伏して来ました。
とはいえ、セナー・ドルイドの力は極めて強力。
十数名で力を合わせれば、太陽の剣ソマースウォードを破壊することさえやってのけるのです。


・アモリーの貴族ローク


傲慢で剣の腕に秀でた、ストーンランドの小国アモリーの領主。
居酒屋の席を確保するために人を殺す程の残忍な性格です。
鷲鼻と冷たい瞳、顔の酷薄な刀傷がその特徴。
居酒屋でローン・ウルフに恥をかかされたことを根に持ち、デーモンロード・タガジンを召喚して狼を殺そうと、無謀極まりない賭けにでました。
カイ・マスターにとって許すことの出来ない「悪」であり、狼は抹殺の誓いを立てています( 【リプレイ299】 参照)


・デーモンロード タガジン


ロークが召喚を試み、失敗した高位の存在。
未だ闇の大神ナールがダークロードを創造する前、遥かな古王国の時代に生みだされた存在です。
セナー・ドルイドが崇める高位の魔神であり、かつて古マギ人を蹂躙しました。
たかが小国の君主にすぎないロークが古の呪法を知っているのは、彼自身がセナー・ドルイドに通じているからではないかと噂されています。
イラストは、ロークの召喚が失敗して生みだされた不死者たち。
(つづく)