ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【「マグナカイ」アドベンチャー(邦訳)完結記念トーク・後編:(死亡・12)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。


さて、後編では、熾烈な探索行を支えてきた狼のインサイドワーク、ゲームブック業(カルマ)に今一度スポットをあててみます。


B「指セーブや出目の誤魔化しetcetc……俗に言うところのズル業、トリックプレイって奴だ」
朕「こういう遊び方については賛否両論みたいだね」
B「はッ!パラグラフの覗き見も新業の発案もなくして、何が紙媒体の楽しみか!ズル一切禁止のリプレイとか本気で意味わかりマッシモ」
朕「……ズルも含めて遊びの一環という立ち位置なんだよね」
B「よく、その辺あちこちで『ズルなしのプレイが重要だ』とか言ってるがよォーッ」
朕「はあ」
B「リプレイ形式で事後に書き記している時点で、改竄なんざ幾らでも出来るんじゃあァァーッ!!!」
朕「……あー。言うてはならぬ事を」
B「リプレイに記述されたダイス目が正確かどうか、一体何処の何様が保証してくれると言うのかね?ンンー?」
朕「『完全なズル排除』はリプレイという形式では不可能だ……故に正々堂々とズルをするぜッ!というのが朕の考えではあるのだけど?」
B「むしろダーティに遊べばいいじゃない!エンジョイ&エキサイティング!それが許されるのがゲームブックの自由度なんだろ」
朕「ズル完全排除を謳うのは個人の徳性としては評価すべきかも知れないけど、普遍的な遊び方として推奨するのは無意味だよね」
B「先生ブチ撒けてスッキリしたんで、後は過去のゲームブック業を紹介して終わり!」
朕「ありゃま!切り替え早ッ!」


という訳で、これまで数々使ってきた狼のトリックプレイの一覧です。
【リプレイ128】でも記した業一覧に、4巻以降の新業を含めた内容となります。



カルマ1.「秘 奥 儀 ・ 指 は さ み ノ ゾ キ!!」
通称「指セーブ」。
あっちこっちに指を挟んで先の展開をズル見する。
ローカルルールで、覗いた先が死亡エンドだと戻ってこれない(終了)。
ただズル見するだけじゃあなく、飛び先が被ダメージやアイテムロストだった時に「今のは指セーブでしたッ!」と叫んで逃げ帰ってくるのにも使える。


カルマ2.「秘 奥 義 ・ 薄 目 de サ イ コ ロ ご ま か し!!!」
読んで字のごとく薄目を開けて乱数表を指すこと。
気に食わなかったら見なかったフリをして指し直す。
正直、いかにもズルしてます的な度汚い手なのでぶっちゃけ使用感は悪い。
ペナルティが無い卑怯未練を極めた業。
カルマ4を発案して以降はあまり使っていない。


カルマ3.「秘 奥 義・ パ ラ グ ラ フ 逆 行!!」
別名バイツァ・ダスト。
ヤバイ場面に飛びこんだ時、好きなパラグラフまで時間を巻き戻してゲームをやり直す。
消費した体力やアイテムも元に戻る。
難点は、そこまでの入手アイテムを失うことと、パラメータ管理が非常に面倒くさいこと。
でも、一番使っている業の一つ。死にたくない時に超便利。


カルマ4.「秘 奥 義 ・ サ イ コ ロ 交 換!!」
乱数表が悪い時、次に出す数字と交換する約束で、都合の良い出目に変えてしまう。
EX:【今出した「0」を次以降に出す4以上の乱数表と交換するぜ!】
悪い出目を次以降に回す為、状況が悪化する可能性もある。
交換が原則なので、巻を跨って使えない(ラスボス戦に近づくほど使えなくなる)。


カルマ5.「秘 奥 義 ・ あ と 出 し チ キ ン プ レ イ!!」
後から、使わなかったアイテムを使っていたことにするズル業。
またはその逆。
無駄遣いしたアイテムを温存したり、教えを使ったことにして難を逃れたりする。
基本的に先立つもの(回復薬など)が必要なので、用途は極めて狭い。


カルマ6.「秘 奥 義 ・ 目 ェ 閉 じ な い で 乱 数 表 !!」
言語道断の鬼畜業。
『目を開けたまま』乱数表をさす。
当然、好きな数字を選び放題、完全イカサマジャンキーパラダイス。
因果律さえ発狂させるカイ・マスター第6の絶技。
余程の代償がないと使えない上どんな言い訳をしてもイカサマです。本当にありが(ry
6巻でただ一度使ったが、その甲斐もなく狼は頓死したのでった。


※ゲ ー ム ブ ッ ク 業 す べ て の 規 制 に つ い て
4巻以降、BOB先生によって新たな縛りが加えられまった。
ラスボス戦ではすべてのゲームブック業を使ってはならない。
また、業の重ねがけはできない。業の発動によるリスクは必ずプレイヤーが背負う。
(業によるペナルティを業で帳消しにしてはいけない)


朕「……こうやってみると、無駄に進化していったのがよく分かるね」
B「最初の頃は遠慮してた業が、今じゃデフォルトで使いたい放題だもんな」
朕「あー…冒険者の知恵って奴?どの業もそれなりにペナルティある訳だから」
B「ローン・ウルフはシステムは割に緩いから、自由が利くんだよね」


作者ジョー・デバー御大がシステム構築マニアではなく、ストーリーや背景に拘るタイプだというのもあるでしょう。
カイの教えは非常に凝った、かつ洗練された技術取得システムですが、それでいて自由度にも優れており、読者を快適に遊ばせるというバランス感覚は流石の一言なのです。


朕「ムゥーン。まあ既刊8冊を終えて、実に満ち足りた気分なのでった。あとなんか語ることあったっけ」
B「幕引きにはまだ早いZE!もうちっとだけ俺様のターン!」
朕「……444回目でキリ良く終わらす心算?」
B「へけけッ」(鮫のように嗤いつつ)
(もうちっとだけ、つづくんじゃ)