ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ336→→→113:黒衣の司祭:(死亡・11)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



司祭の語り口は明らかにおかしかった――土地の訛りがまるでないのだ。
「はい、司祭様」
修道僧たちは声を揃えて答えた。
「よろしい……下がりなさい」
司祭が俺の間合いすれすれまで無造作に近づいてくる。
修道僧たちは部屋から出て行き、扉が閉まった。
徐々に部屋の光が弱まっていく。



予知を身につけていれば、343へ。
予知を身につけていなければ、190へ。


身につけていない予知の選択肢が、戦慄と疑念を確信へ押し上げていく。
間違いない。これは罠だ……


「お前達の無駄な探索の旅は終わったのだ」
司祭の感情の籠もらぬ声が、鉄釘を打ち込むように鼓膜に突き刺さってくる。
本能的に剣の柄へ伸ばした手が震え、指が硬直して動かなくなった。
何とか首だけを動かしてペイドを見ると、生まれたての子鹿ばりに全身で痙攣していた。
突然、激痛が胃を襲い、脚に力が入らなくなってきた――呻きつつ膝をつく。
「アオオー!」
ペイドが怪鳥音とともにもんどり打って床に倒れた。
椅子落ちキタ――――――(゚∀゚)――――――!!!!!
白眼を剥いてご丁寧に口から変な色の泡まで噴いている。



治癒術を身につけていて、プライメイトの階級に達していれば、146へ。
治癒術を身につけていないか、プライメイトの階級に達していなければ、146へ。


並のカイ・マスターならば、てんで使えぬ相棒同様、寺院の床に昏倒しただろう。
恐らくは、二度と目覚めぬ死の懐に引きずり込まれて。
だが、死の城塞からも生還を果たしたこの俺を、毒杯ごときで殺せると思うな……ッッ!!
マグナカイの治癒術、その奥義を発動させ、全身の活力を高めていく。
戦闘しながらの毒素の治療自体は不可能だ――
だが、死の顎の寸前で踏みとどまり、致死毒の進行を遅らせていく。
体 力 点 を 5 点 奪われ、酷く消耗こそしているが、今や苦痛は薄れつつあった。
蹌踉めきつつも立ち上がり、剣を抜く手に力を込める。
「どうやら知らなかったらしいな。カイ・マスターに毒は通用しない」
牙を剥いて嗤い、悪の下僕を挑発する。
司祭の冷たく黒い眼に、初めて感情らしきものが宿った――驚愕とも焦燥ともつかない何かが。



通過パラグラフ:(336)→190→146 治癒術の効果:+2点   現在の体力点:32点

(つづく)