ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ1→→→パラグラフ260:居酒屋の太陽:(死亡・8)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



またしてもシルバー・セージの逗留先で目覚めたとき、今度は脇腹どころか全身を賽の目に断割されたかのような激痛が襲った。
声も出せず、悶絶。
夢時間の俺はさぞかし悲惨な死に方をしたらしい。
2度とは同じ目に遭うまいと固く誓う。


シルバー・セージの賭博場を買い換えたばかりの新馬で出立し、自由都市カシオーンを後に旅を続け――
今やすっかり馴染み深い、いや初めて訪れる河岸の街を見下ろす。
来たのは初めてにも関わらず、南門が兵舎に続くことや北門で金貨3枚を徴収されることまですべてが把握できている。
ストーンランド諸国へのとば口。交易の街、クォーレンが、夕陽に沈む城壁を周囲に煌めかせる。
装備と、マグナカイの教えを確認。
といっても冒険の方針はあくまでシンプルだ。
戦力の低さを太陽の剣で凌ぎ、治癒術が無いので戦闘そのものをできるだけ避ける。
いわゆる不殺の誓い―― その昔カイの師も俺を拷問訓練しつつ「死ななければオッケー」と言っていた気がする。
また、金も少ないので無駄な出費は極力避ける。
今回は特別食料は持たない。
上級狩猟術という至高のマグナカイ・アーツを身につけた今、俺に人類一般の食物など不要なのだッ!
その辺に生えているペンペン草からでも充分な栄養を補給できるぜッ!
言っててちょっと空しいが。
どうせ余分に持っていってもハーフウェイ旅館で鼠の餌になるだけなのだ。
何だか、無い無い尽くしの旅になりそうだが、臨機応変に行くとしよう。
……さあ。長い旅を、始めようか。



【アクション・チャート 恐怖の王国】  ローン・ウルフ 9人目(8度死亡)


能 力 値   .


・戦闘力点25(12点+2+2+8+1

・体力点35(28点+4+3

・またしても金貨10枚(5巻までの49枚は修道院に預けておく)


マグナカイの教え(階級:カイ・マスター・スペリオル)   .


・方向認知術 ・隠蔽術 ・上級狩猟術



習得した伝授のサークル   .


・太陽のサークル(戦闘力点+1、体力点+3



装備(武器 2つまで)   .


矢筒と矢(矢筒1つに6本まで)   .



・ソマースウォード(太陽の剣 戦闘力+8)

・弓



・矢筒:1つ   ・矢:6本


特別な品物   .


ナップザック(8個まで 満杯)  .



・水晶の星型のペンダント

・銀の兜(戦闘力+2

・盾(戦闘力+2

・鎖帷子(体力+4

・カルトの火の玉

・ダイアモンド

・瑪瑙のメダル





・ラウンスパーの薬(体力+4)

・ロープ

・濃縮アレサー(一時的に戦闘力+4)

・クールシャー(体力点+4)



修道院に置いていくもの   .


・特別食料×4

・ガロウブラッシュ(眠り薬)

・エデの薬草(体力点+10)

・レンダリムの万能薬(体力点+6)

・ラウンスパーの薬2回分(体力点+4) ・特別なラウンスパーの薬(体力+5)

・ラウンスパーの薬(体力+4) ・ラウンスパーの薬(体力+3)

・回復薬(体力+3)  ・バシュナのナイフ

・パッド入り鎖帷子(体力+2) ・幅広剣×2



北門をくぐり、バレル・ブリッジ居酒屋に到着。
方向認知術のおかげで、またしてもバレッタからの傭兵が目についた。
今回もまた彼らのもとへ向かう。
俺が近づくと、彼らは不気味に黙りこみ、剣の柄に手を伸ばした――



彼らに酒をおごってやるか。30へ。
話の仲間に入れてくれと頼むか。260へ。
彼らは無視して、どこか他の場所に座って食事を注文するか。172へ。


―― 考えてみれば、金も無いのに奢るなどと言いだす奴が馬鹿なのだ。
挙げ句鼻血を噴いて怪鳥音を発するなど愚の骨頂。
余計な争いは避けうるだけ避けるべきなのだ。
俺は言葉を慎重に選び、傭兵たちに語りかけた。


「どうか、俺をも仲間に入れてくれまいか。どうか、俺の願いを聞き入れて、お前らの仲間の一人にしてほしい」
「余所者はお断り、だッ!」


名作劇場2秒で終了。
そこは全裸に赤マントの人がひどく赤面する場面だろうに……そりゃメロスも激怒するっつー話だ。
沈黙が下りると、脂ぎった顔の傭兵が冷笑した。
ある意味神々しいまでに光り輝く顔を歪め、言葉を吐き出す。
「何か用があるなら言ってみるがいい!我々の鋭い剣が黙ってはいないぞ!」
何時の間にか、俺たちの会話は周囲の耳目を惹き付けていた。



自己紹介するか。130へ。
彼らを挑発して戦うか。159へ。
彼らは無視して、他の席へつき、食事を注文するか。172へ。


沈黙が広間全体に漲り、静寂を破る者など一人もいない。
おお師よお許しを!いきなり不殺の誓いを破りそうです。
覚悟を決め、俺は口を開いた。
同時にソマースウォード を鞘走らせ、刀身を僅かに覗かせる。
「喧しいッ!このローン・ウルフに向かって舐めた口を聞いてんじゃあないぜッ!」



「うおっ まぶしっ」
黄金の陽光に眼を灼かれ、傭兵たちの顔色が変わった。

(つづく)