ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ134→→→パラグラフ97:待ち伏せ:(死亡・7)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



長閑な光景に鈍った冒険者の勘を一気にレッドアラートまで引きあげたのは―― 次の一節だった。


長旅のあとで腹も空き喉も渇いているので、無料の飲食物に心惹かれた。


単に飲食物を提供するだけなら、そう書くだけでいい筈だ。
別に食事が必要なシーンでもないのに、わざわざ「腹も空き喉も渇いて」とカイ・マスターの意識を誘導している。
これはどういうことか。
考えてみれば、ここまで半日以上の歩み、危険の欠片もなかった。
「危険な道だ」と言ったのはシリルス本人なのだが、そうしたシーンは一切ない。
まあ……臆病過ぎならばあとで笑えばいいのだ。
兎に角、警戒を怠らず、集落を突っきってデンカ料金所へ向かう。
料金所の脇に建つ監視塔が、空を覆って街道の上にのし掛かってくる。
「エズモント、表に出てきてくれ。お前の兄だ、シリルスだ。お前に会って貰いたい人と一緒なんだよ」
馬を下りたシリルスは杖で料金所の門を叩くが返事はない。
笑いながらさらに門を叩く。
「居眠りはやめて起きるんだ、エズモント」
だが、それでも返事はなかった。



予知を身につけていれば、7へ。
予知を身につけていなければ、258へ。


……予感は確信となった。
狼の危険感知センサーが目盛りを振り切って反応している。
速やかに、258へ跳ぶ。



 258

閂が外れ、大きな門がゆっくり開いた。
「デズモント、やっと起きてくれたのか――」
シリルスはそう言いかけて、あまりの驚きに目を見開き、息を詰まらせた。
料金所の中から、黒と金の鎧を身につけた戦士が馬に乗って出てきたのだ。
彼は前腕部で石弓を支え、君に狙いを定めている。
いきなり戦士は矢を放ち、矢は君の胸めがけて飛んでくる。
 予知を身につけていれば、283へ。
 上級狩猟術を身につけていれば、164へ。
 どちらも身につけていなければ、97へ。


反射的に、馬上に大きく身を投げだす。
アクション・チャートを確認するまでもなく、俺はここで必要なマグナカイの教えを 何 一 つ 身につけていないッッ!!
只でさえ馬の上では動きが制限される上、ここは料金所に通じる橋の上だ。
咄嗟に左右に逃れることもできないのだ。


あまりにも急な攻撃から君の命を救えるのは、運以外にはない。「乱数表」を指せ。
 0から3なら、174へ。
 4から6なら、313へ。
 7から9なら、57へ。


しかも、この3択はヤバ過ぎる!!!
どの数値が正しいのか、数が大きい方がいいのか、小さいほうがいいのか、それさえ分からないッッッ!!!!
こんなところでは死ねない……
何故狙われたのか、敵が誰なのか、ここで死んだら何も知らずに終わってしまう――
それだけは、絶対に許せないッッ!



意を決し、乱数表を指す。結果は、「1」!
この結果が吉と出るか凶と出るか。
それはパラグラフをめくるまで分からないッ!!



通過パラグラフ:(134)→89→258→97→  回復術の効果:+3点   現在の体力点:14点
(つづく)