ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

悪魔の目が俺を追う

【パラグラフ142→→→パラグラフ100:暗黒の寺院:(死亡・4)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



冷たい霧雨をカイ・マントで防ぎ、藪に潜んで廃墟を偵察する。
黒き月の時代、ソマーランドのウルナー王が最強のダークロード・バシュナを滅ぼしたのは、まさにこの場所だった。
断崖絶壁での激しい剣戟の末、バシュナは斬り殺された―― 俺が携えるこのソマースウォード で。
こころなしか、太陽の剣が熱を帯びて感じられる。
バシュナの断末魔の叫びは、彼が甦り、ソマーランドとウルナー王家に復讐するまで谺し続けると言われているのだ。
マッケンゴーグの啜り泣くような風の音に不安を煽られつつ、5時間かけて街の細部まで頭に叩きこむ。

『寺院のはるか上空で満月の輝くとき……』

予言詩の内容からして、寺院は恐らく地下深くにある。
ならば出入り口は?



地上にあるあらゆる出入り口を調べ、二つの可能性を考慮に入れた。
バサゴニア兵2人が見張る地下室の扉と、倒れた2本の石柱に埋もれた大理石の階段だ。
見張りとの戦闘は避けたい。
霧雨に紛れ、大理石の階段に辿り着いた。
下草に覆われた地下への階段には人の足跡。
ビンゴだ。
カルトの火の玉 を割り、燃える火の玉をかざして地下室の奥へ進む。
明かりが天井近くを照らした瞬間、驚いて立ち竦んだ。
闇の滲む天井の梁に、黒い皮膚の不気味な生き物がいた。
人間の耳に聞こえぬ呪いを叫んでいるのか、口を開閉している。
不意に、そいつが梁から飛びかかってきた。
こいつは暗闇に潜み、素早く密かに死を与える吸血鬼、デーモナクだ!
ソマースウォード を抜き放ち、黄金の輝きを一閃する。
異類めいた顔に恐怖を浮かべ、デーモナクは剣を避けた。
天井の裂け目から逃げ出していくのをあえて追わず、太陽の剣を鞘に収め、地下室から廊下を進んでいく。
更に30メートルほど階段を下り、南北に伸びる短い廊下を南のバルコニーへ向かった。
そして……遂に、邪悪の寺院がその全容を現す。

(つづく)