ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ307→→→パラグラフ20:500メートルの地獄:(死亡・4)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



脚の筋肉は既に疲労を通り越して苦痛を訴え、両肺は酸素を求めてあえいでいた。
意識のすべてを遠くにひるがえるソマーランド軍旗に集中させる。

闘犬の餌食になるのはイヤだ。君は懸命に走った。

余裕ゼロなのも本文ママ。
『SIN CITYに出てくる痛そうな死に方・ベスト3』を体験してしまう瀬戸際なのだ。


残りあと400メートル。
防壁と監視塔が確認できたが、人影は未だ芥子粒ほどのサイズも無い。


残り300メートル
地面のあちこちに、拗くれた山賊の死体が転がりはじめた。
激烈な戦闘の跡なのだろう。
数週間近く放置されているらしい死体の間を縫うように走ると、腐肉漁りの鴉が飛び上がり喚き立てる。
胸がむかつくが、速度を緩めたら一巻の終わりだ。


あと、200メートル
突如、平原に喚声が轟き渡った。
俺を励ます声。
防壁の向こう側に籠城する味方が、俺のカイ・マントに気づいたのだ!!!
焼け落ちた小屋の脇を駆け抜け―― 脚が縺れた。
訳が分からず蹌踉めき、勢い余って泥と灰の中に頭から突っ込んでいく。
左脚の太腿を矢が貫通したのだ。
だがどこから!?
灼熱の激痛を堪えつつ目を上げると、通り過ぎたばかりの廃墟の小屋で何かが動いた。
山賊の射手が潜んでいたのだ。
ゆっくりと番えられた矢が俺の頭に狙いを定める。
絶対絶命。


……太陽よ!!!
俺に乱数表を寄越せ――――――――――――!!!!!

(つづく)