ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ161→→→215:愚者の黄金:(死亡・3)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



斬りかかってくるバーバリアンの動きは奇妙にぎこちなかった。
太刀筋も、まるで自分の意志に反して攻撃しているかのようだ。
とはいえこのローン・ウルフ容赦せん!
ソマースウォード を振るう俺の戦闘比は+11。
ただの一撃で首を刎ね飛ばしてくれるッ!!
乱数表は、4、2、3。





……ホワァァァィ!?
分かりませーン。ちィとも分かりまセン。なんデスカこれは、この為体は。
ダメージ喰らいまくってますヨ??
どうしてディスカ―――??


現実から逃避しても 6点のダメージ が減るわけではないのだが。
体力点 9 点 は少々しんどい。回復薬を使うにしても中途半端だ。
死体を探り、骨の剣 金のブレスレット( 特別な品物として扱う ) を発見する。
カイの第六感のおかげか、金のブレスレット にただよう霊気がどうも気にかかった。
そもそも極寒のカルト地方には鉱山が存在しない。アイス・バーバリアンが獣の骨や牙で武器を作るのもそのためだ。
しかも、未だかつてアイス・バーバリアンが鉄以外の金属を欲しがったことなど聞いた事がない。
彼らは狩猟の役に立たない貴金属に興味が無いはずなのだ。
このブレスレットは、憐れな犠牲者から力ずくで奪い取ったものだろうか……?
「まあいいじゃん。金だし。減るもんじゃねーし」
自分で垂れ流した蘊蓄を一蹴して、いそいそと手首に金のブレスレット を巻く。
不意に激しい頭痛が襲った。
何者かの強力な精神力が俺の心に入りこみ、俺の自我を破壊しようとしているッ……!!

・精神防御を身につけていれば、すぐに345へ。
・精神防御を身につけていなければ、9へ。

意志を集中させ、激痛を抑えつけて、俺はブレスレット を手首から引きちぎった。同時に攻撃がやむ。
何だこのブレスレット……えげつねー罠じゃねーか……クソ、クソッッ!!!
荒く息を吐き、俺は我が身の不運を嘆きつつ廊下を先へ進んだ。




余談だが、実はこのシーンこそが3巻最大のトラップだ。
次巻に持ち越せる特別な品物 は、普通のアイテムより入手しておきたい心理を巧みに突いている。
そのうえ、このシーンの第六感はまったく警告になっていない。
さらに、精神防御がなければ一発死……邪悪な精神力の主こそ、要塞のバーバリアンを操る魔術師ボナターなのだから。
とりあえず役立ちそうなアイテムは全部拾っておけという、そこそこ冒険慣れした者ほど引っかかりやすい、実に悪質な罠だ。


(つづく)