ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

銀の兜

【パラグラフ126→→→51:スカルクラッシャー:(死亡・3)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



朦朧とした頭のままカイ・マントを取りに戻り、再び廊下を北へ向かった。
天井と壁には奇妙な彫刻が施されている。小さな竜巻が、次第に変化して人を思わせる形になっていく……
その絵物語はどことなく禍々しい。
やがて廊下は右に折れた。曲がり角にはやはりレバーで開閉する扉があり、広い部屋が現れる。
冷たく黴臭い室内には花崗岩の箱があるきりだった。
箱に彫刻されたグロテスクなまでに歪んだ異形の顔。その悪意に満ちた表情に戦慄する。
鍵穴に銀の鍵 を入れると吸い込まれ、箱が開いた。中には精巧な細工の銀の兜 が。
不気味ではあったがカイの第六感も働かない(問題なさそう)なので頭にかぶってみる。
完璧にフィットしたこの銀の兜 、どうやら戦闘力点を 2 点 高めてくれる らしい。
が、問題が一つ……
俺はもう兜(体力点+2) をかぶっているのだ。
文中には特に指示がないとはいえ、兜を二重にかぶれるものなのだろうか。
しかし、凡人ならいざ知らず、俺はカイ戦士なわけだし、そういうカイの教えとかゼッタイ無いとは言い切れないのだ。
大丈夫!俺は強い子だから!
自分に適当言い聞かせてレッツチャレンジング。
下になった兜を上の兜に、こう、万力のような力でギャリギャリベキベキ拉げて歪めて押し込んで……
……ギャリギャリベキベキ言ってたのは俺の頭蓋骨だった。



結局銀の兜 に変え(古い兜は捨て)、部屋を出て通路を進み、100段以上もある階段を登る。
狭い踊り場で不意に乱数表を指せと命じられる。
カイの第六感、狩猟術、追跡術のいずれかを身につけていれば+3―― これで気づかぬ冒険者はいまい。
隠し扉だッッ!!
気合を入れて乱数表をさす……1?
この間も1が出たような?
泣く泣く「0〜4へ」にしたがってパラグラフ76へ。



階段を上りきると、既にお馴染みの石扉とレバーがあった。扉に覗き穴があったので確認……
「!?」
狭い部屋には寝入るドゥームオオカミが3匹。
その先、北へと伸びるアーチ型通路には歩哨らしきアイス・バーバリアンの姿。
カイの狩猟術と動物語を駆使し、突破の可能性を探る。
見たところ獣の眠りは深い。扉を開け、素早く通路のアイス・バーバリアンを奇襲し、ドゥームオオカミが目覚める前に北側の扉を閉めれば追撃を防げるだろう。
しかし、これは非常に危険で分の悪い賭けだ。
踏み込むか。戻るか。

(つづく)