ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

nacht_musik2005-06-28

【プロローグ→→→パラグラフ1:出立:(死亡・2)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



黒き月の時代。
ダークロードとソマーランドの永きにわたった戦争は、マッケンゴーグの戦いで幕を閉じた。
二十柱の闇の半神のなかでも、最強と謳われたダークロード・バシュナを滅ぼし、ダークロード軍を壊滅に導いたのが、ウルナー王の太陽の剣ソマースウォード だった。
それ以来、ダークロードはソマーランドとウルナー王家への復讐を誓っているのだが……。
戦いののち、信頼の証としてソマースウォード は同盟国ドゥレナーに贈られた。
その返礼にドゥレナーのアリン王はハマーダルの紋章 と呼ばれる黄金の指輪をウルナー王に送り、再び西方の邪悪な敵―― ダークロードがソマーランドを脅かす時には、必ずやドゥレナーが力を貸すことを誓った。
そして………
今が、そのときなのだ。


既に王都近くで始まっているだろう戦闘の厳しさをそぶりにも見せず、自信に満ちた足取りで俺を王室武器庫に案内してくれたのは、ペラサー王子が命を落としたストーンブリッジで共に戦った戦友、近衛隊のデュバル隊長だった。
「ははは、見事な重武装じゃないか。ローン・ウルフ。これはいかにも攻め難い」
「勘弁してくれ、隊長」
ここ数日ですっかり打ち解けた隊長の笑いが、俺を渋い顔にさせる。
灰緑色のカイ・マントの合わせ目からのぞく鎖かたびら 、そして左手の
迅速かつ隠密であることをこそ本意とするカイ戦士らしからぬ重装だ。
もっとも、隊長の笑いには俺の緊張をほぐす気づかいも含まれているらしかった。
「案ずるな、ローン・ウルフ。お前ならこの任務をやりとげる。でないと溜まったサモアのツケも払ってもらえないしな」
「ああ。祈っていてくれ」
サモア』とはチェスに似たゲーム(ソマーランドではしばしば金貨を賭けて遊ぶ)のことだが、俺は軽口を返せなかった。
新たに選び終えた2つの装備とともに、身支度を確認する。
傷も完全に癒え、体調は上々。
王都への旅で経験を積み、この数日はカイの教えの向上に励んだ結果、新たに俺は 精神防御 の術をものにしていた。
王室武器庫で戦力を増強できるだろうと踏んで、防御の教えを選んだ読みが当たったことになる。
……準備は、整った。
デュバル隊長に先導され、波止場へと向かう。



【アクション・チャート  水上の炎】  ローン・ウルフ(3人目)


能力値

・戦闘力点19(17+2) ・体力点31(25+2+4)
・金貨 30枚
(王から与えられた17枚+前回分から12枚。残り23枚は城に預けていく)

カイの教え

・擬装術 ・第六感 ・狩猟術 ・追跡術 ・念力移動 ・精神防御

装備(武器 2つまで)

・斧

ナップザック(8個まで)

・アレサーの薬(一時的に戦闘力+2)

特別な品物

・水晶の星型のペンダント(首にかける)

・かぶと(かぶる)(体力+2)

・鎖かたびら(着る)(体力+4)

・盾(戦わないときは肩にかつぐか手に持つ)(戦闘力+2)

・ハマーダルの紋章(指にはめる)

・かぶと(体力点+2)




指のハマーダルの紋章 の絢爛たる輝きが、俺を否応なく任務に引き戻す。
この指輪と引き換えに太陽の剣ソマースウォード を受け取ること。
それが、俺の任務だ。
我ながら緊張するのも無理からぬことだと思う。
未開の地ワイルドランドをはさんだ、はるか東方の国ドゥレナー。
修道院から首都までの旅など、比較するのもおこがましい―― それは、遠く、果てしない道のりだ。
そして………
カイ戦士なき今、俺の失敗は、すなわちソマーランドの滅亡を意味することになるだろう。
国王の言葉が脳裏に甦る。




「40日だ、ローン・ウルフ。我々は40日しか持ちこたえられない」

(つづく)