ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

nacht_musik2005-05-23

【パラグラフ333:ラウマスの激闘・前編:(死亡・1)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



深い森から急にひらけた場所に出る。そこは古代の寺院ラウマスの跡だった。
すでに廃墟には15体以上のジャークが攻めこみ、周囲にはさらにそれ以上の死体が転がっている……!!
青い稲妻がジャークに向かって走り、鎧を着た彼らを四方に吹き飛ばした。
黒い鎖かたびらを着たジャークのリーダーが部下を叱責している。
一人の敵を相手に攻めあぐねているようだ。
鮮やかな応戦ぶりだった。
カイ戦士でさえ、この数相手ではそう長く戦えないだろう。まして貧弱な俺ならなおさらだ。
(なにしろ俺の 戦力点は10 。ジャーク相手でさえ戦闘比はつねにマイナスなのだ)
誰が戦っているのか接近して確かめる。
驚いたことに、そこにいたのは俺とそう年の変わらない若い魔法使いだった。
星模様の刺繍された青い衣装はトラン魔法使い協会のものだ。
隊列を組み直したジャークが槍を構えて前進すると、彼は急いで寺院に退却した。
そこではじめて、この魔法使いが疲労し、ギリギリのところで戦っているのだと気がつく。
俺の近くをジャークが駆け抜け、魔法使いの裏に回りこんだ。
曲刃のナイフを口にくわえ、崩れた円柱の天辺へと身軽によじ登っていく。
正面の敵とやりあう彼は、背後から奇襲を狙う敵に気づかない。
このままでは魔法使いが危ない。

(つづく)