鏡の森(ISBN:4916199642)

タニス・リー、産業編集センター)
雪のごとく白い肌、森のごとく黒い髪、血のごとく赤い唇――。
美しい森の城の王女アルパツィアは、14歳になった冬、城を襲った侵略者ドラコによって連れ去られる。
ドラコの王妃に迎えられたアルパツィアは、今なお異教が奉じられる「豊穣の女神デメトラの土地」ベルグラ・デミトゥで、仇敵に囲まれ心を閉ざしたまま、一人の赤ん坊を産み落とす。
コイラと名付けられ、乳母に育てられた赤ん坊は、7歳になったある日、城で時折見かける氷のように美しく冷たい女が、魔女王と呼ばれる自分の母であることを知るのだが――。


魔力ある鏡によって悲劇的な運命に導かれた二人の白雪姫を中心に、征服王ドラコ、七つの大罪の名を冠する小人たち、森の祭儀を司る狩りの王クリメノ、地底の鉱山〈エリュシオン〉を支配するハドスらが描く愛憎劇の絵模様。