シャーロック・ホームズ 東洋の冒険(ISBN:4334761445)

nacht_musik2004-08-26

(テッド・リカーディ、光文社文庫
1891年にライヘンバッハの滝で行方をくらましたシャーロック・ホームズは、1894年4月にロンドンへ生還した。
『空き家の冒険』で語ったところでは、シーゲルソンの偽名で2年間チベットを旅し、その後ペルシャからメッカに渡り、カーツームを経て残りの期間を南仏で過ごしたというのだが、具体的にどこで何をしていたかについては、正典中でもほとんど言及されていない。
だが、実は帰還してからの数ヶ月間に、ホームズが折に触れて当時のことをワトスンに語っていた・・・・・・という設定の事件簿が全9編のエキゾチックな短編からなる本書。
中でもジャワ島での奇怪な体験を描く『スマトラの大ネズミ』は一際異彩を放っています。