空の境界（ISBN:4061823612）

（奈須きのこ、講談社）
二年間の昏睡から目覚めた少女・両儀式が記憶喪失と引き換えに手に入れた、あらゆるモノの死を視ることのできる“直死の魔眼”。
浮遊する幽霊の群れ。人の死を収集する螺旋建築・・・。この世の存在のすべてを“殺す”式のナイフに映る数々の怪異。非日常の世界は、日常の世界と溶け合って存在している・・・。

新伝綺ムーブメントの到来を告げる作品だと帯に書いてあります。
確かにライトノベルを読む層よりは、対象年齢が少し高めに書かれているようですね。
文体に少し癖というか意識して雑にしているところが散見されますが、全体に分かり易い表現を心がけたよい文章だと感じました。
今後の活躍に期待する意味で投資。
笠井潔御大の上下巻合わせて４４ページに喃々とする珍解説だけでも、一読する価値はあるでしょう。