あらすじ

「歴史、考古学、シュメール語の分野では、そこそこ知られた学者」であるわたし、ジョナサンは、テロや民族紛争、深刻な飢餓、殺人ウィルスなど、世界各地からマスコミを通じて暗いニュースばかりがもたらされる日々に嫌気が差し、十年がかりで書き継いでいる著書を完成させるために雪深い山奥の別荘に出かけるが、高熱を発して倒れてしまう。そこに、美しい若者の姿をした幽霊が忽然と現れ、ジョナサンを手厚く看護する。幽霊はアズリエルと名乗り、意外なことを語りはじめる。自分は<骨のしもべ>という幽霊であり、宗教団体<心の寺院>の教祖の娘エスター・ベルキンを殺した犯人グループを追って彼らを殺し、さらに教祖のグレゴリーを殺した、というのだ。ジョナサンはアズリエルに請われ、彼の話を克明に記録することにした。