本文より

・・・イイルクーンがエルリックを呪おうとして<混沌の神>にすがったときも、呼ばれたのはアリオッチだった。イイルクーンがルビーの玉座への大望を抱いて助けを求めようとしたときも、その相手の名はアリオッチだった。<二本の黒の剣の守護者>として知られるのもアリオッチだ。黒の剣・・・かつてメルニボネの王によって使われた、この世のものではない無限の力を持つ剣。
「アリオッチ!御身はいずこ!」
いまエルリックの喉から、きれぎれにではあるが律動的にルーンの呪文が唱えられていた。その精神はアリオッチの住む異界に届いている。そして、いまアリオッチその人をさぐっていた。
「アリオッチ!メルニボネのエルリックが御身を召喚す」
(本文p119)