概要

エルリックが<ルビーの玉座>の428代目の皇帝となった1年足らずのうちに、野心家の従弟イイルクーンの陰謀が、エルリックをそのくらい宿命の発端にどのようにして投げ入れたかが描かれています。
エルリックは混沌の神々の一柱にして何世紀もこの世に姿を現さずにいた<七つの暗黒界の王>アリオッチを召喚せざるをえなくなります。
イイルクーンはエルリックの愛する従妹サイモリルを誘拐し、メルニボネから逃げ出していたのです。
アリオッチの援助を受け、エルリックはイイルクーンを追いかけます。
エルリックは彼女を取り戻そうとするうちに、魔剣ストームブリンガーの所有権を獲得します。
漆黒の刀身にルーン文字の刻まれたこの地獄の剣は、悪意ある知覚力と殺害した者の魂を啜る力を併せ持っています。
こうして奪い取った魂の一部が、非力な白子に伝えられ、彼がずっと必要としてきた活力をもたらすのです。
恐るべき代償を支払って。
結末では、「赤き射手」ことラッキールと知り合ったエルリックは、従弟イイルクーンを殺さず、摂政としてメルニボネに残します。
そして彼自身は、その停滞した死にゆく帝国を甦らせる術を求め、<新王国>へと1年間の冒険の旅に出るのです。