シノビガミ・シナリオ『アガスティアの葉』

タイプ:対立型
リミット:3
PL数:4人
プライズ:アガスティア・システム


【主な舞台】
このシナリオの主な舞台は、廃棄された工業団地の地下研究施設である。
既に半日前に瓦礫の山となっている。


【シナリオの運用】
(導入)
PC1&2、PC3&4の2回行う。

(マスターシーン1)
地下研究施設。PC1のみ登場できる。NPC「蘇芳博士」(の死体)及び「蘇芳 箏葉」と出会う。

(マスターシーン2)
廃棄された工業団地。PC1以外のキャラクターは登場できる。《調査術》の判定を行い、成功したら好きなキャラクターの【居所】を入手する。

(メインフェイズ)
・PC1以外のキャラクターが、地下研究施設でのシーンに登場するためには、指定特技の判定に成功する必要がある(《掘削術》か《潜伏術》)。指定特技の判定に成功していないキャラクターは、【居所】を入手できていても、戦闘を仕掛けることはできない(一度成功すれば、以降の判定は必要ない)。
・また、箏葉と同時に登場しているキャラクターは、登場していないキャラクターとの情報共有が発生しないので、留意すること(お互いシーンに登場していれば、情報共有は発生する)。ただし、情報共有が発生しない理由をPCに教える必要はない。
・ホーンド・オウル及び「死神隊」は、各サイクルの最後に、PC3以外のキャラクター1人を選び、戦闘を仕掛ける(一度選んだキャラクターは選べない)。
・3サイクル目の開始時点に、まだ或葉の【秘密】が開示されていない場合、プライズ「アガスティア・システム」が登場する。

(クライマックスフェイズ)
・PC1&2とPC3&「死神隊」、PC4の三つどもえの戦闘を想定している。ただし、プライズを実際に入手している必要があるのは、PC1と「死神隊」のみであることに留意すること。
・もし「アガスティア・システム」が破壊されており、6ラウンドが終了した時点で勝者が決まっていなかった場合、その時点で地下研究施設が完全に崩壊し、全員が戦闘から脱落する。



【PC1 推奨:ハグレモノ】
(設定)
数時間前、あなたは比良坂機関からの依頼を請け負った。
あなたの【使命】はPC2に協力し、他流派より先に、かつてのナノマシン研究の権威−蘇芳博士の研究成果を手に入れることだ。
(秘密)
あなたは、比良坂機関に伝わる神器「逆神」によって、忍者の記憶と能力を与えられた。
本来のあなたが何者であったか思い出すことはできないが、断片的な記憶のフラッシュバックが、あなたを苦しめる(自分がシーンプレイヤーの時、シーン終了後に「忘却」の変調を受ける)。
あなたの【本当の使命】は、「逆神の欠片」を手に入れ、元の記憶を取り戻すことだ。


【PC2 推奨:比良坂機関】
(設定)
半日前、あなたは永らく行方不明だった蘇芳博士より通信を受けた。
あなたの【使命】はPC1を手駒とし、他流派より先に、かつてのナノマシン研究の権威−蘇芳博士の研究成果を手に入れることだ。
(秘密)
比良坂機関は蘇芳博士の研究を危険視していた。20年前、生命倫理団体を煽動し、博士の研究所を襲撃させたのも比良坂機関の仕業だ。結果、博士の一人娘(享年10歳)が不幸な犠牲となり、博士は失踪して現在に至っている。
あなたの【本当の使命】は、斜歯忍軍に研究成果を渡さないことだ。


【PC3 推奨:ハグレモノ】
(設定)
数時間前、あなたは斜歯忍軍からの依頼を請け負った。
あなたの【使命】はPC4に協力し、他流派より先に、かつてのナノマシン研究の権威−蘇芳博士の研究成果を手に入れることだ。
(秘密)
数分前、あなたは多国籍軍産複合体企業ガイギャックス・インターナショナルにより有利な条件で引き抜かれた。
既にGI社の傭兵部隊、通称「死神隊」が展開しており、あなた以外のPCを無差別に攻撃する。
あなたの【本当の使命】は、比良坂機関及び斜歯忍軍に研究成果を渡さないことだ。


【PC4 推奨:斜歯忍軍】
(設定)
半日前、あなたは永らく行方不明だった蘇芳博士より通信を受けた。
あなたの【使命】はPC3を手駒とし、他流派より先に、かつてのナノマシン研究の権威−蘇芳博士の研究成果を手に入れることだ。
(秘密)
斜歯忍軍は蘇芳博士の研究に多大な出資をしていた。博士の研究目標はナノマシンを人体に用いること−電脳化技術の実用化だ。投与されたナノマシンを介し、外部より対象の行動を制御する技術は、斜歯忍軍にとって非常に有用であると判断された。
あなたの【本当の使命】は、比良坂機関に研究成果を渡さないことだ。


NPC 蘇芳博士】
(設定)
永らく行方不明だった、かつてのナノマシン研究の権威。
残念ながら、シナリオ開始時には故人である。
死後一日以上経過しているが、外傷等も無いことから、老衰による自然死と考えられる。
(秘密)
あなたは箏葉に遺言を遺している。
死後、地下研究施設はアガスティア・システムだけを残し爆破すること、及びシステムの処遇は通信に応じた人物の判断に任せることである。


NPC 蘇芳 箏葉】
(設定)
あなたは永らく行方不明だった蘇芳博士の娘だ。
あなたの【使命】は然るべき組織に、かつてのナノマシン研究の権威−蘇芳博士の研究成果を引き渡すことだ。
また、あなたと同じシーンに登場しているキャラクターは、登場していないキャラクターとの情報共有が発生しない(お互いシーンに登場していれば、情報共有は発生する)。この処理はルールブックのあらゆる記述に優先する。
(秘密)
あなたは20年前に死亡しており、現在は別人(10歳の少女・身元不詳)の肉体を借りている。
また、あなたの脳内にはアガスティア・システムの子機であるナノマシンが投与されており、周囲に特殊な磁場が発生している(情報共有が阻害されるのはこのため)。
この秘密が誰かに開示された時点、もしくは3サイクル目の開始時点で、プライズ「アガスティア・システム」がシナリオに登場する。


NPC ホーンド・オウル】
(設定)
ガイギャックス・インターナショナルの傭兵部隊「死神隊」を率いる兵士。肉体を限界まで機械化しており、忍者に匹敵する高速機動を可能としている。
あなたの【使命】は、他流派より先に、かつてのナノマシン研究の権威−蘇芳博士の研究成果を手に入れることだ。
データは下忍頭相当。血盟忍法を1種類追加修得してよい(血盟の流儀は「私欲」となる)。
(秘密)
あなたは悪名高い戦争狂であり、以前から忍者と戦ってみたいと思っていた。あなたの【本当の使命】は、クライマックスフェイズの戦闘において全員(PC3を含む)を倒し、研究成果を手に入れることだ。


NPC 死神隊】
(設定)
ガイギャックス・インターナショナルの傭兵部隊「死神隊」に所属する兵士。肉体を限界まで機械化しており、高速機動を可能としている。
データは戦闘員相当。血盟忍法を適宜修得してもよい(血盟の流儀は「私欲」となる)。
(秘密)
特になし。あったとしても、シナリオの展開とは無関係である。


【プライズ アガスティア・システム】
(設定)
20m超の巨大な漆黒の円柱。地下研究施設の中枢であり、蘇芳博士の「研究成果」である。セッション中、このプライズを入手しても、地下研究施設の外に持ち運ぶことはできないものとする。
(秘密)
比良坂機関に伝わる神器「逆神の欠片」を元に、蘇芳博士が作り上げたシステムである。
親機である円柱には「蘇芳 箏葉」の人格データ及び思考アルゴリズムが収められており、彼女そのものと言える。
このプライズの所持者は神器「逆神の欠片」を所持しているものとして扱う。また、所持者によって処理方針(存続、破壊etc)が決定した時点で、クライマックスフェイズに移行する。
このプライズが破壊された場合、地下研究施設は崩壊を始め、クライマックスフェイズの戦場が「極地」となる。また、子機であるナノマシンもその機能を失いクライマックスフェイズ終了後に消滅する。