ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ70→→→パラグラフ84:サンダイ寺院の影の門:(死亡・15)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。


広場の中央に小さなモノリスが建ち、そこに黒い巨鳥―― 緋色の戦士が騎乗していた翼獣がつながれていた。
モノリスの背後には、頂上の平らな段々状の建物がそびえたつ。
……あれこそ、サンダイ寺院だ。
注意深く闇に潜み、警備状況をうかがった。
鎧を着た二匹の生物―― もとより人間でないのは明らかだ―― が入口に立ち、顔パッドを正しく固定するのに都合良い、錆びた兜をかぶっている。
ロアストーン の反応は今や強まり、寺院内にあると感じとれた。
無警戒な入り口が見つかることを願って外周を徹底的に調べる。
入口は警備兵の一箇所きりだが、寺院の頂上付近、円形の煙突のような穴が、もっとも高い段の中央に開いていた。



  寺院の最上部まで登り、穴から中に入ろうと思うなら、217へ。
  顔を隠して背後から警備兵を脅そうと思うなら、38へ。


ここは一択だ。
余計な戦闘は回避するにかぎる。この先にこそ『30点強の敵との二連戦』が待っているはずなのだ。
暗がりと悪臭立ちこめる大気にまぎれ、たやすく寺院の最上部にたどりつく。
やはり穴は換気口だった。
どっとあふれだすムカつく臭気を浴びて、目がくらみ吐き気に襲われる。
ネクサスを身につけていなければ体力点−3らしい。
ま、この狼には無関係な話だ。
薄暗い光と機械音に導かれ、シャフトの中を匍匐して前進した。
砂漠の国バサゴニアのバガ・ダルーズ以来、この手の潜入はすっかりお手のものだ。
やがてシャフトの一角にハッチをみつけ、空っぽの小部屋に降り立った。
寺院の中央らしい。
いくつかの通路が、車輪の軸のように放射状に広がっている。
滑らかな弧を描いて伸びていく通路の一つを進む。
一つ一つにのたうつ蛇の紋章の描かれた扉は、通路の両側にずらりと一列に並んでいる。
扉は例外なく施錠されていた。
それらの扉に構う心算もない。最後のロアストーン の力がますます強力にローン・ウルフを引き寄せていくのだ。
まっすぐ進み、長い階段を下りていく。
階段は、広大な円形ホールを見下ろすバルコニーへ通じていた。
一面の床は、湖面のように輝く暗青色の大理石製だ。
ホールの端には重々しいテーブルが置かれ、工芸品や巻物、数多くの奇妙な薬や粉が散乱している。
反対側にはそびえたつアーチがあった。
あらゆる生物が身をよじって絡まり合い喰らい合う野蛮の園が彫刻され、一瞥しただけで心底の嫌悪感をかきたてる。
アーチの奥は完全な闇で、漆黒な奈落は一切の光を飲みこんでいた。
これこそがサンダイの影の門―― 故国ソマーランドへの、マグナマンド世界への帰還に不可欠な戸口だった。



いよいよだ。
全身が粟立っていく。このサンダイ寺院のホールこそが、最終決戦の地だ。




【アクション・チャート 時の虜囚】  ローン・ウルフ 16人目(15度死亡)


能 力 値   .


・戦闘力点27(15点+2+2+3+1+4)  ・体力点40(28点+4+3+3+2

・金貨6枚   ・14ルーン



マグナカイの教え(階級:サイアン・カイ)   .


・動物コントロール ・念波動 ・念バリア ・治癒術 ・上級狩猟術 ・ネクサス

・予知 ・上級武術(得意武器で戦闘力+4:斧、弓、幅広剣)



習得した伝授のサークル   .


・火のサークル(戦闘力点+1 体力点+2

・光のサークル(体力点+3

・精神のサークル(戦闘力点+3 体力点+3



装備(武器 2つまで)   .


矢筒と矢(矢筒1つに6本まで)   .



・斧

・デュアドンの銀の弓(弓の射撃ボーナス+3)



・矢筒:有(1つ)   ・矢:残り5本


特別な品物(12個/12個まで)   .


ナップザック(8個まで)   .



・水晶の星型のペンダント

・銀の兜(戦闘力+2)

・盾(戦闘力+2)

・鎖帷子(体力+4)

・カルトの火の玉

・ダイアモンド

・火種×2

・精神の指輪

・灰色の水晶の指輪

・地図





・アレサーの薬(戦闘力+2)

・アレサーの実(戦闘力+2)

・ケツ・スポア(致死毒)

・食料

・食料

・食料

・アレサーの実(戦闘力+2)

・レンダリムの万能薬(体力点+6)


体調は完璧だった。
カオス・マスター戦ではギリギリの綱渡りを超えて薬を守ったため、ドーピング効果も十分だ。
ならば。
今。
踏み込むしかないッ!!


昂然と足音を響かせホールへ降りきった、その時だった。
背後のバルコニーから、一団の気配が近づいてきた。


(つづく)