ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

いま復活の魔人・虎眼先生

【パラグラフ204:死地、魔人覚醒:(死亡・15)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



ほんの一刹那、狼と叛逆神の動きが止まる。
まさしく絶体絶命……だった。
次が9ターン目。
戦闘比−5の苦境において体力6点以下となり、ズル技を封じられ、戦闘中ゆえ今から薬の使用も許されない。
いや……
何かある。なければならない。
このターンからアレサーの実 を食したことにして戦闘力を2点底上げはできないか……?

「不可能だな。 【リプレイ490】 で引用されているだろう。アレサーの実 も、他の薬と一緒で戦闘前に使わないとダメだ」


イラッとするほど的確な翻訳者BOB先生のツッコミが入る。
戦闘力点も教えの向上・サークルボーナスなど、すべて考慮済みの点数だ。
ならば、アイテムは……



【アクション・チャート 時の虜囚】


特別な品物(12個/12個まで)   .


ナップザック(8個まで)   .



・水晶の星型のペンダント

・銀の兜(戦闘力+2)

・盾(戦闘力+2)

・鎖帷子(体力+4)

・カルトの火の玉

・ダイアモンド

・火種×2

・精神の指輪

・灰色の水晶の指輪

・地図

・アイアンハートの幅広剣





・アレサーの薬(戦闘力+2)

・アレサーの実(戦闘力+2)

・レンダリムの万能薬(体力点+6)

・ケツ・スポア(致死毒)

・銀のフラスコ2口分(一口で体力点+4)

・食料:食べたときに体力点+3

・アレサーの実(戦闘力+2)

・レンダリムの万能薬(体力点+6)


いや。
待てよ。これは、もしや――


「無理だろう。薬は戦闘中使えない。戦力アップの品も考慮済み。潔く……」
あった。ここからの切り返しの秘策が」


アクションチャートから顔をあげ、唇を吊り上げて嗤う。
ポカーンとした顔のBOB兄さんに再度問いかける。
「基本的に、俺たちのリプレイでは原典が絶対。ズル業はすべてその隙間をすり抜けるものだよな」
「ああ。けど新しいズル技を思いついても無駄……」
「サイコロ交換の発動中だ。ああ、ズル技も今は使えないさ。でも、単純に基本ルールの不備を突くだけなら、アリだよな?」
「あァ…………!?」


奴も気づいたらしい。
そう。ルールを守らせる側、原作者ジョー・デバー側からプレイヤーを監視する奴でも、止められない行動が一つだけある。
すなわち……


「プレイヤーとして宣言する。8ターン終了直後、俺は体力を回復させるぜ。薬以外の品物すべてを使って
「…………やってくれた喃!」


セリフと裏腹、奴の声には笑いがにじんでいた。
9巻に入ってから、奴の翻訳に従いつつも、過去のルールを踏襲して動いてきた。
そのルールの欠落。
薬でない体力回復アイテム……すなわち、銀のフラスコ2口分(一口で体力点+4) 食料:食べたときに体力点+3 は、この場で、ペナルティなしで使うことができるのだ!!
ゲームブックのルールを損なわず、新たなる理解のステージに狼は到達した。
何一つズルを行っていない。
ただ「戦闘中に使ってはいけない」という記述、「薬だ」という記述、いずれも欠落しているゆえの行動。
完全にゲームブックのルールにのっとり……
フラスコの中身2口分と、輝く都市で入手した食料、そのすべてを貪り喰らう!!



通過パラグラフ:(204)  治癒術の効果:0点   現在の体力点:6点
(つづく)