ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ309→→→パラグラフ194:異次元猿語会話:(死亡・15)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



動物コントロールのおかげで、この未知なる領域の猿語も完璧に頭に入ってきた。
奴らの類人猿種族はオーコールというらしい。
話しかけてきたリーダーはリャン・クリルと名乗り、質問してきた。

 
……(中略)……彼はメレドールと呼ばれる場所から来たのかどうか 
君に質問し、その声のトーンから「そうだ」という返事を望んでいる 
らしいという感じをはっきりと受ける。 


  「そうだ」と答えるなら、194へ。 
  「違う」と答えるなら、16へ。 
  返事をせず、黙っているのなら、108へ。 
 


さっそく罠登場。
いやらしい3択だ。またなんつーか本文で誘導かけてきているのがね。
『そうだという返事を望んでいるらしい?』
ここでそうだと言ったら、まず確実に強制バトルだろう。
それがいつものパターンだ。
いや、あるいは逆か? 疑心暗鬼に陥らせておいて、裏をかく者がバカを見る仕掛けか?
返事しないで黙ってたら、普通にバトルになるだろうしなぁ。
ここは創造神デバー御大の心理を読みきらねばならぬ。
ここ最近はずっとこれで裏をかくパターンばかりだった。巻数もそろそろ11巻目、裏の裏でくるんじゃなかろうか。
……うむ。
たまには本文に素直に乗せられるべきかもしれない。
「ああ、そうだとも、リャン・クリル」
「ウホッ!ホヒィッ!」
返事した瞬間、いっせいにざわめきが起きた。
人類種族もこの次元にはいるらしい。それがメレドールなる場所のことなんだろう。
「ローコン・アイアンハートからの伝言、そうだな?彼は加勢してくれる、そうだな?多くの戦士を送ってくれる、そうだな?」
「あー、そうそう。とりあえず落ち着きたまえよ」
エテ吉が興奮しながら矢継ぎ早にまくしたてる。
まずは落ち着かせようとしたが逆効果。質問はみるみる軍事同盟的な何かの詰めの話になってくる。
つうか部隊の合流地点とかワケわかんねーし。何の話?
しだいに類人猿の視線が疑心暗鬼で濁っていく。
あー。
途轍もなく……やばァァーい。逃げ場、なーい。
「騙した」
「詐術。またしても」
「混沌の」
「こいつも混沌の間諜。つまりケイオス・エネマ……エネミー?」
覚悟を決めるべき時だった。何が理由かは分からないが、俺の発言は火に油を注いだらしい。
不意に、猿のリーダーが狂ったように絶叫した。肛門に香辛料をブチ込まれたかのごとき憤怒の発作だ。
「アオオー!ブッ散らばって死ね!」
「こっちの台詞じゃあああ!」
吐き捨てておいて逆に間合いを詰め、草原を疾駆する。
エテ公軍団の獲物はあらかた槍だ。接近戦に持ち込まなければこちらの命が無い。
そして――

 
 オーコールたちは突進して槍で攻撃をしかけ、武器を抜く君の動きはかろうじて間に合う。 


  オーコール  戦闘力点21  体力点45 


  戦闘に勝ったら、203へ。 
 


最悪だった。本文空気読まなすぎ。
なにそれ?
『 武 器 を 抜 く 君 の 動 き ? 』
ああこれ、腰の辺りから溜めて繰りだすベアナックル、いわゆる虎拳のこと?
あー。
そうだよねー。俺の全身は鍛えに鍛え抜いた凶器だよねー。でらファンタスティカだよねー。
珍武器辞典に載ってるような小洒落たアイテムなんぞ、何処にもねーんだよォォォ!!!!
素手で全方位の槍を捌け……だと……?
やってやんよ!!
畜生……
ちくしょォォォォォーッッ!!!

(つづく)