ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

うわぁ〜お、団体さんのお着きだァ

【パラグラフ64→→→パラグラフ309:狼と猿の惑星:(死亡・15)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



マグナカイの教えの向上をもって、生物としての限界まで視力を挙げ、はるか地平に建造物の痕跡を探す。
近くのせせらぎがずっと流れ下っていくその先に、なにやらピラミッドめいた灰色の輪郭が見えた。
この狼の超望遠視力をもってしても輪郭が把握できないほどの距離だ。
……とりあえず言ってみるか。
他にあてもなく、流れに沿ってブラブラ歩きだす。
1時間弱といったところか、だいぶ進んだところで正体が見えてきた。
苔むした小さな谷間に沿って、緩慢な小川のへりを歩いていくと、唐突に別の建造物が姿をあらわした。
薄く灰色がかった金属のモノリスだ。
モノリスは、赤い葉をつける潅木の茂みに半円に囲まれ、なかば埋もれている。
調べるべきか、否か。
特に見るべきものも他になし。とりあえず調査開始だ。
雑草や野生の花で沈んだ土台を踏みしめ、モノリスによじ登る。
かなりの年月放置されていたようだが、金属めいた表面に風化の兆候はまったく認められない。
頂には、透明な金属でできた針がとりつけられている。
鏡のように滑らかな尖塔の表面に耳をあてがうと、ハミングめいた微かな音が地下深くから聞こえてくる。
正直に言おう。
進入口もないし、何が何だか分からない上に、トラップのおまけつきだ。



  方向認知術を身につけていて、チュータリーの階級に達していれば、283へ。
  方向認知術を身につけていていないか、チュータリーに達していなければ、6へ。


「うわぁーお」
今度こそ―― 俺は輝く都市ヤニスの『見護り手』を憎んだ。
疑う余地もない。これは敵の待ち伏せを告げる選択肢。教えの向上を身につけていない以上、敵との遭遇は必至だ。

 
この物の用途が分からずに困惑しつつ、モノリスの全体像を見ようとして後ろに下がる。 
ものの10歩も進まぬうち、茂みががさがさと音を立てた。 
君は一人ではない。 
 

ホラーじみた本文の言い回しにも腹が立ってくる。
毛深くずんぐりした2足歩行の生き物が次々に藪からあらわれた。その数、20匹弱。
いずれも革鎧を直接着込み、透明なガラス状の穂先がついた槍で何度も天を突きながらギャアギャア喚きたてる。
知性ある集団の待ち伏せ。まったく最悪のパターンだ。
じりじりとベタ足で敵との間合いを計り、腰の上、武器の鞘を下げるベルトに拳を添える。
これが西部劇でタンブルウィードが転がっていく荒地なら。
あるいは残酷時代劇で流派を嘲笑う素浪人に仕置き仕る時なら、さまになるのかもしれないが。
客観的に見て、この類人猿どもに右手の脅威が伝わるとも思えない。
要するに……


俺は、あいかわらず、丸 腰 のままなのだ。


いやもう、ほんと勘弁して欲しい。
おかげさまでリアルクライシス真っ最中。まじに虐殺まであと5秒、MG5かデッドエンドといった趣だ。
二十匹の未知なる敵に囲まれてどうしろというのか。
巨人族ヨーコールを例に引くまでもなく、ダジャーンの敵は決して弱くない。
奴らの武器は喉から手が出るほど欲しいが、そのために1対多の戦闘なんざゴメンこうむるってもんだ。



 方向認知術を身につけていてサイアン・カイの階級に達しているか、動物コントロールを身につけていれば、309へ。
 いずれも身につけていないか、階級に達していなければ、108へ。


しかも選択肢は、教えを使うかどうかではない。持っていれば強制、パラグラフ343へ進むのみだ。
一体が進みでてなにか喚き、俺の返事を待つかのように黙りこんだ。
とりあえず敵はオサレ会話をご希望のようですが。
さぁて……
類人猿相手の動物コントロール。果たして凶と出るか、吉と出るか……!?


通過パラグラフ:(64)→248→275→6→343→309→  治癒術の効果:+1点   現在の体力点:40点(全快)

(つづく)