ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ122→→→パラグラフ64:I can fly!! :(死亡・15)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



いそいそと『見護り手』に導かれ、円形劇場の真ん中、ひときわ目立つオブジェに連れて行かれた。
巨大にして燃えたつ太陽のごとき光球が、透明な水晶球の中で暴れ狂っている。
”ただの処刑装置に見えるんだが”
”あながち間違いではないぞ―― 次元転送装置だ”
おぃぃ?
いま、なんつった? ンぁあ!?
ま、そういう使い道もあるらしい。トランの影の門が追放刑に使われたのと同じだ。
ダジャーンの構造を利用し、瞬間的にヴォザーダへ飛べるという。
”余の世界を律する法則は、AONと異なる。ここでは、十分な力で因果を組み換えれば、時空を操ることができる”
従者とともに別の球体の前に移動し、水晶の基盤を操作しはじめた。
じきに、円状に渦巻く灰色の影が硬く滑らかな表面に形作られていく。
穴の開いた虚空の輝きに焦点を合わせようとしても、完全に目で捉えることはできない。
”行けるぞ。ヴォザーダへの道が開いた”
”世話になった、『見護り手』よ”
”気にするな、この手助けは余の気まぐれだ。転送先まではあやまたず送り届けよう”
”ありがたい”
教えの力と意志力で恐怖を押さえつけ、まったき次元転送装置の前に立つ。
『見護り手』はウソはついていない。万色にして無色、この灰色がかったゲートこそ、ヴォザーダの領域へと通じている。
ことここに至り、腰のあたりがスースーするのに気づいて、本文のはざまでお願いしてみる。
”あー、1つお願いがあるのだが”
”言うが良い、強き人間よ”
”前々回あたりのリプレイで、「あらゆる尽力を惜しまず与えよう」って言いまったよね。ちゃんと、本文パラグラフ中でも”
背後で見守る支配者に問いただす。
”ああ。翻訳も問題ない。たしかに余はそう告げたが”
”じゃあ武器よこせ”



”……ドーン!!”
”ギャァァァァ!!! 突き飛ばすって、ちょ、おま、ッざけんなァァ!!!”


 
 次元転送装置に踏みこんだその瞬間、信じがたい速度が君に襲いかかった。 
急激に螺旋を描いた光が眼前に展開しはじめ、灰色の影にと化した君は 
光の中核めがけて突進していく。 
 


巫山戯んなァァァ!!
またも武器なしかよ!汚い、さすが英国人汚い……ッッ!
罵ったところですでに手遅れ。
閉じたまぶたを光が貫き、さらに輝きと色彩を増していく。
万色の狂気で脳が破裂しそうになり、苦悶にみちた無言の絶叫が延々と喉をついていた。
体力点を 3 点 失う。
酸素を失いかけ、ぐらりと傾ぎ、しかし次の瞬間急速に実体が戻ってきた。
踏みだした足がちくちくした草を踏みつける。
緑の大地と水の織りなす豊かな領域―― ヴォザーダにたどりついたのだ。


 草深い丘のてっぺんから、奇妙だが、どこか懐かしい景観をじっと見わたす。 
 青々とした草原が手前に広がり、いくつかの固まりあった森と曲がりくねった 
数本の小川が目につく。新鮮で清潔な匂いに満ちた暖かい風が吹き、鳥の 
さえずる歌声が、遠くゆるやかな微風にのって運ばれてくる。 
 


あまりにもマグナマンドに似た、別のダジャーン界。
曇りでもないのに太陽を欠いた灰色の空さえ頭上になければ、元の世界だと信じても不思議ではない光景だ。
素手で丸腰でなきゃ、これほど和む光景もないのだが。
……ホント、そろそろガチバトルが近そう。冒険者の予感的にひしひしと嫌なものを感じる。
ホームシックな心を抑えつけ、帰還の意志をあらたにする。
まずはセロッカなる支配者を探しだす。
そのためにも、なにがしかの居住地を探しだすべく、地平線に鋭く目を向ける。



  上級狩猟術を身につけていて、プリンシパリンの階級に達していれば、64へ。
  上級狩猟術を身につけていないか、プリンシパリンに達していなければ、148へ。



通過パラグラフ:(122)→188→208→228(ダメージ)→64→  治癒術の効果:+2点   現在の体力点:39点

(つづく)