ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ286→→→パラグラフ347:黄昏界の住人:(死亡・15)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



気力を取り戻し、死んだコージンダに近づいて調べる。
外見が爬虫類に似ているだけで、俺の知るどんな生物とも明らかに違う異質な身体構造だった。
信じがたいほど薄く硬質な鱗は、皮膚や骨ではない、ガラスに近い物質で出来ている。
影の門を抜けてからの試練の疲労が襲ってきた。
ナップザックを開き、なじみ深いマグナマンドの食物、カワマスを焼いてむさぼり食い、眠りにつく。



風の凪いだ空を打つ羽ばたきに、突如目覚める。
嵐はやんでいた。
さらに大きくなる翼の音を確認すべく、荷物をまとめて走り出る。
渓谷の縁から、燃えたつ地平線に浮かびあがる6つの黒い輪郭を目の当たりにした。
いずれも竜に似た生き物で、背中に、頭髪のない巨大な亜人を乗せている。彼らの騎竜なのだろうか。
蝙蝠の翼と蛇の首を持つ竜は、ジグザグに逃げまどう巨大トカゲを追っている。
狩りの最中らしい。
はじめて見る知的生物を観察するうち、大きくバンクして一頭が頭上を飛び去った。
……発見されたようだ。
いずれにせよ、無人の荒野で呆けつづけるよりは、この新たな接触に身構える方が良い。
竜は編隊を組みなおし、俺の上を翔けぬけて、少し離れた大地に降り立った。
リーダーらしき男と2人の部下が、まっすぐやってくる。
彼らは恐ろしく長い腕をもち、巨体であることを微塵も感じさせぬ優雅な獣の足取りだった。
一足一刀の間合いで向き合う。

 
「ゼーウ・クローカ・ン、ラ?」 
 深くひびく声でリーダーが君に語りかけてくる。 
「リゥル、アン・ノールナ?」 
 その横にいる生き物が言い、その両目は琥珀の炎をやどした一対の円盤のようにぎらつく。 


  方向認知術を身につけていて、サイアン・カイの階級に達していれば、305へ進め。 
  方向認知術を身につけていないか、サイアン・カイに達していなければ、132へ進め。 
  


「わかんねーべ?」
「!?」
未知との遭遇は大失敗だった。
方向認知術なんか身に着けちゃいねーし。
言葉の通じない原始人だと思ったのか、侮蔑のまなざしとともに統率者はベストに手を入れ―― コージンダの冷たい鱗で編まれたベストだ―― 威嚇的に銀の杖を突き出した。
「ゼーウ・クローカ・ン、ラ?」
まあ、事ここにいたればバカでもわかる。交渉決裂って奴だ。
選択肢は3つ。戦闘に備えて武器を抜く(!)か、降伏して手を上げるか、予知のテレパシー能力で会話するか。
「正解するとこのウザさがポイント3倍増し」
思わず独り言。
そりゃあ、普段なら気高いこの狼、宣戦布告されて黙っちゃいないんだが。
抜く武器がないんだよねー。
別にジュージュツとバリツをまぜまぜした俺拳、ダイナミックアーツを駆使しても良いのだけど、面倒なので予知に頼る。
9巻ザーリクスの遺跡の再現となるかどうか。
友好の意思を示すべく、よくよく熟考し、爽やかかつ穏やかに語りかけた。


”いったい何様の心算だ、ブチ殺すぞデミヒューマン!”



通過パラグラフ:(286)→245→264→132→347→  治癒術の効果:+4点   現在の体力点:40点(全快)

(つづく)