ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ116→→→パラグラフ41:復讐するは我にあり:(死亡・15)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



戦闘力40点を優に超越する神の一柱、デーモンロード・タガジン。
威風にみちて玉座の上からカイ・マスターを睥睨する。
避けえぬ戦闘ならば、覚悟を決めるのみ!
腹をくくって念バリアで精神波をはじき返し(体力−2)、疾駆してくる魔犬に焦点を見定める。
つづけざまに、弓を射るかどうかの選択。
射たところで無意味なのは知っているが、攻撃しないことによる不利の発生をおそれ、一射を叩きこむ。
「愚カナリ、常命ノ者ヨ」
呵呵と嗤いながら、タガジンが矢を胸からむしりとる。
すべては前回の再現だった。
―― 神器ソマースウォード を佩いていない、その致命的な戦力差をのぞけば、だ。
「降伏セヨ……サスレバ、神ノ慈悲ヲ以ッテ、苦痛ナキ死ヲ授ケヨウ」



  ソマースウォード をもっていれば、286へ。
  ソマースウォード をもっていなければ、333へ。


「は……お断りだ、ぜッ!」
神殺しの剣の代わり、指突の一閃でタガジンの目を潰す。
攻撃は効かなかった。
両目をつぶされたままのタガジンが前足を上着にひっかけ、ふりかぶる。
気づいた時、俺は十メートルの高みにあり……天井をかすめる芸術的なアーチを描き、祭壇の固い床石に激突する。
獲物をなぶる忍び笑いを浮かべ、白濁した両目を再生させ、タガジンが歩みよる。
鼠をいたぶる猫めいた主の残忍さにおそれをなし、ロークとその配下は寺院のすみにうずくまっている。
やはり―― 無意味。無様。
通常の攻撃では、駄目なのだ。
この古き悪魔、邪なる一柱を殺しきるには、神をも欺く姦計こそが必要なのだ―― ッ!



洞察力をフル加速させ、状況を脳裏にインプットする。
デーモンロードの首には黒い鎖がまかれ、燃えあがる五芒星をかたどった護符が下がっている。
同じ五芒星が、震えるロークの両手の中にあった。
まるで人生そのものを託しているかのごとく、ロークは胸の上で護符を握り締めている。
現在の俺は徒手空拳。
頼れるのは己が腕(かいな)と、ナップザックの増強剤のみ。


ならば、狼のとるべき道は……?



  デーモンロードを武器で攻撃したければ、210へ。
  タガジンの首から護符を断ち切りたければ、128へ。
  ロークを攻撃し、彼がもっているお守りを奪いたければ、41へ。


・・・策は成った。


震えだす腕(かいな)を、鳥肌立つ全身を、止められない。
迷うことなどなかった。
もとより取るべき道筋は唯一だったのだから。
その選択肢こそわが渇望、わが大願。迷うことなく心から復讐の悦びがあふれだす。
「ひさしぶりだなロークよ。俺の顔を覚えているな」
「!!??」
狼の視線がひたと据えられたことを知り、ロークは愕然と口を開き、痙攣しはじめた。
「ロ、ロ……ローン、ウルフ、貴様、なぜ……」
「知れたこと」
ニヤリと、獰悪な邪心に唇を歪め、俺は呪詛を投げかけた。
「貴様が殺したシリルスと同じ痛みを、貴様に、いま、与えに来た―― ッッ!」
語尾を引き伸ばし、低い姿勢のまま、獣の跳躍で飛びかかる。
―― 咆哮するタガジンの脇をすりぬけ、恨み骨髄に達する悪の化身、小心なるアモリーのロークめがけて。
デーモンロードの邪魔が入る前に奴を殺し、護符を奪取する。
速度のみが唯一の勝機だッッ!!


通過パラグラフ:(116)→26→147→333→41  治癒術の効果:+1点   現在の体力点:29点
(つづく)