ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ294→→→パラグラフ263:犬神の島再び:(死亡・15)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



ドクンと大きく、鼓動がリズムを刻む。
ふたたびビクリとこめかみが浮き上がるが、もはや怒りによるものではなかった。
戦慄。あるいは歓喜。さらなる畏れ。
……これは、千載一隅のチャンスととるべきか。
あるいは絶対絶命なのか。
この瞬間、まさにこの島、ゴースト島に、狼の宿敵、アモリーのローク卿が潜んでいるのだ。
今一度、奴を縊り殺す絶好の好機を与えられたこと。
太陽神の戦具なくしてあらがいようもない最古の邪神、デーモンロードとの対決の予感。
心は千々に乱れ、ただ小昏い小径を島の中心部へたどっていく。
いずれにせよ退路はないのだ。
まずは、またも行く手を阻む大裂け目を飛び越さねばならない。
前と違い、今は最初から武器なし。
すべての荷物を先に対岸へ放り投げてから助走し(乱数表は4)、かすり傷−1点のみで軽く突破する。
じきに、再訪を歓迎するかのように……。
苔むすジグラット、立方錐なす古代の寺院が俺の前にあらわれた。



前回は習得していなかった予知が、より正確に敵の存在を教えてくれる。
ストーンランド諸国の紋章をつけた兵士の傍らをすり抜け、爆破された寺院の扉から踏み込んでいく。
奈落へ伸びる胎内めぐりを経て、最下層、詠唱のつづく扉にひたりと密着した。
仮面を外し、信徒に傲岸な説法をあびせるロークを観察する。
祭壇での儀式が、クライマックスに近づく。



 たつまきのように壁のまわりで霧は渦を巻き、氷のような寒気が寺院をのみこむ。
「いでよ!いでよタガジン!」
 ロークの絶叫は、吠えたける風の中、かろうじて聞き取れた。
「永遠なる苦痛の地獄より、汝を呼び出さん!」


  予知を身につけていて、メントーラの階級に達していれば、298へ。
  予知を身につけていないか、メントーラに達していなければ、116へ。



不意にこのとき……
まぶたの裏が燃え上がり、冷気をまとう扉から、幾星霜を経た古の記憶が流れ込んできた。


通過パラグラフ:(294)→62→317→27→15→50→314→306→65→89→200→200→263  治癒術の効果:+12点   現在の体力点:26点
(つづく)