ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ300→→→パラグラフ4:カイ無刀流:(死亡・15)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



「かゆ…………う……ま……」
「くぁwせdrftgyふじこlp」
「……ゆっくりしてってね!」


錯乱し、譫妄状態に陥っていた狼が……
正気を取り戻したるは、それより1時間ばかり後のこと……


「意外と早ェェなオイ」


一人旅の悲しさか、ツッコミを入れるのも自分。
グレイゴール皇子はやんごとなき身分すぎ(本文の描写も薄いので)リプレイでは弄りがたいものがあった。
ともあれ―― エル・レンシア連合軍はハマーランドを斃した。
自由主義国家が、闇の脅威をしりぞけたのだ。
敗残のドラッカー・シンザールの残党は脱兎のごとくセザからあふれ、安全なブラックシュラウド街道を逃れていく。
かくしてエル公国は完全な国土奪還をなしとげた。
今はまだ廃墟のセザにも、エルの精鋭が駐留し、いずれ街を復興させるだろう。

セザの解放により、ようやくロアストーン探索がはじまる。
本来向かうべき狼のルート。
悪夢のゴースト島を避けてブロール川をわたり、モガドールの森から北へ、トーガール城砦をめざすことができる。
だから、ね?
ほら、助力を約してくれたでしょう。グレイゴール皇子?
なにか……忘れちゃ、いませんかね?


300.

……(中略)……
「私たちは勝利をおさめたのだ、ローン・ウルフ」
王子はうれしそうに言った。
「いまやエルは解放され、トーガールへの道もひらけたのだ」
4へ。

「ああ、そうね俺もうれしいッスよ。だからほら」
「何をしているのかね?」
両手をそろえて差しだす俺を、キョトンとしたつぶらな瞳でみつめる王子様。
「何じゃないっしょ。武器。俺、あンたのために必死こいて戦って武器ぶっ壊したんだから、代わりの武器をくださいよ」
「……?」
「いや『?』じゃなくてね。武器。ウェポン。戦争の犬の必需品。わかる?ドゥーユーアンダスタン?」
「? ……????」


やばい。


―― やばァァァ〜〜い。会話が、通じてナーイ。


なんつーか、冒険者の勘に、とてつもないイヤァな気配がひしひしと押し寄せてくるんだが。
セザ奪還戦に勝利をおさめたのがパラグラフ300。当然、次のパラグラフ4で補給ぐらいしてくれるんだろうなァ?
ンン〜!?


4.
夜明けとともに君は馬にまたがり出発し……(中略)……
午前中には浅瀬と尾根を見下ろす丘陵地帯にたどりついた。


「達者でなローン・ウルフ卿、探索の成功を願っているよ」
「ちょ、ちょっと待ってえな!!! 」
「がんばれよォォ〜〜」
どんどん遠くなる皇子の声。
元気に疾駆する馬の背にまたがり、あっというまに戦場を離脱していく 丸 腰 の俺。
なんで武器の代わりをよこさねーんだよォォ!!!
死体といっしょによォー、腐るほど武器が転がってんだろうがよォ!!
いつもいつも、他の巻じゃイベントの区切りごとに、邪魔だってぐらい食料と武器を提供してんだろーがよォ!!
人として最低限エアリード機能くらいつけやがれ! 
このド腐れプリンスが!
テメーの軍は空手道場かよ!
「オイらの武器はこれだけさ」とかぬかしつつ、菩薩みてーに丸々した拳を見せつけるかよ!
「ワカってきた」とか「たまらぬな……」とかほざきつつ力任せに敵をブン殴るかよ!



おおお


おきゃああっ!!??




わめいてももう遅い。ジ・アフターカーニバル。
最強の武器の一角を担うバシュナのナイフを失った狼は、ただ弓を肩に担いだだけの 徒 手 空 拳
意気揚々とした足取りで武器・防具・その他アイテム満載の戦場からはなれていく。
……間抜けにも、ドラッカーの本拠地めざして。
そこらじゅうに槍や剣や鉾が転がっているのに、王子の軍からの補給はおろか、死体からはぎとることさえ許されない。
槍だって、斧だって、果物ナイフだってイインダヨォォ!!
近接武器をくれよぉぉ!!
なぜ、なぜだぁぁぁぁ!!!
舐めんなァァ!!


―― いまだかってない理不尽な展開のたたみかけに身をよじって懊悩しつつ。
―― どんなに手を伸ばしてもつかむこともできぬ、戦跡の至る所、そこらじゅうに転がる武器に手を伸ばしたまま。
絶望の叫びとともに狼は北方へ運ばれていった……すみやかに。軽やかに。
素 手 のまま。



通過パラグラフ:(126戦闘)→11→310→321→110→300→4  治癒術の効果:+6点   現在の体力点:12点
(つづく)