ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

その綺麗な顔をー(ry

【パラグラフ345→→→パラグラフ319:さらばプラーグ 矢が飛ぶ 極大射程:(死亡・15)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



―― ドラゴンランス戦記風にアバンタイトルをつけたところで絶体絶命の状況は好転しない。
ハマーランド山賊領として自由主義国家に恐れられる悪の軍隊。
その精鋭が邪悪な衝動に嗤いを抑えきれぬままに、混成部隊の首を次々に刎ね、刈りとっていく……ッ!!
とっさに、ナップザックの中段、適当に上から4番目あたりを開く。
レンダリムの万能薬(体力+6) 一瓶を使い、体力を16点まで取り戻す。
ギリギリ戦闘可能領域だが、これ以上のハッパの浪費は許されぬ――
「隊長ォォ……自分には、故郷に許婚が……!!」
「畜生ッ! ここを抜け出したら浴びるほどボア・ビールを飲んでやる……!!」
「お前らに殺された家族と親友の仇、ここで必ずこの俺が……!!」
「ここは自分らに任せて、隊長は脱出を……!!」


「うむ、そうさせてもらおう。アリーヴェ・デルチ(さよならだ)


胸がすくほどの勢いで死亡フラグを立てだした兵士らを置き去り―― 狼は逃走を選んだ。
いやまあ。
未だかつてこれ程卑劣なアリーヴェ・デルチの使いどころ、見たことがないけれども。
さらばだプラーグ隊長。
つかのまだが楽しい指揮を取らせてもらったよ。
俺の部隊が壊滅すれば、次は君が挟撃を受けるんだった。まあせいぜいお達者でー(棒読み)。
戦士の本能そのまま、カイ・マントをひきつけて突進する。
ショルダータックルで二人の兵(味方か敵か)をぶち倒し、さらに細い横手の裏路地へ飛びこんだ。
出会い頭のハマーランド兵を一突きで即死させ、荒ぶる風のごとくに疾駆する。
ドアをぶち破り、頭から窓に飛び込み……
テーブルの上を転がってそのまま横手のドアを蹴りあけ……
3次元的な空間移動を用い、ものの数秒で包囲圏を脱すると、速度をゆるめて悠々と先へ進んでいく。
密集地域を脱し、納屋風に建物が角にそびえる広場へ抜けだす。
朝のブリーフィンングによれば、このあたりに敵の首魁がいるはずだが――
前触れなく、視界がぐにゃりとゆがんだ。
はるか遠い高みへと、研ぎ澄まされたカイ・マスターの五感が俺の意識を導く。
鮮明さを取りもどす世界は広場を見下ろす位置にあり……
今しも敏捷に広場を横切っていくエル斥候兵へ、極限までたわめられた弓の照準を合わせている。
不意にその顔がこちらを見上げ、戦慄が全身を貫く――
―― 標的は、この俺だ!


 その建物の上階の窓ぎわに、あらかじめ刻み目をつけた矢を準備したドラッカーの狙撃手が
屈みこんでいた。あらわれた君を目にして狙撃手は引き絞っていた弓の弦を解放し、君の心臓
めがけてうなりをあげる矢を放つ。
「乱数表」を指せ。


急激に「狙撃手」の視点から引き戻される。
見上げていた窓辺で何かが光を弾く―― すでに、矢は放たれているッッ―― !!
上級狩猟術を身につけていれば乱数+3。回避は、間に合うのか!?
高まれ俺の……えー……セブンセンシズ



  0から2なら、264へ。
  3から5なら、121へ。
  6以上なら、319へ。


乱数は5。合計値は「8」。十分すぎる速度だ。
マトリックス避けをした俺の頭上を、旋回しつつ鏃が吹き抜けていく。矢軸につけられた刻み目まで確認できた。
そのまま腰をひねり、下半身から筋斗を切って崩れた塀の裏に飛びこむ。



  弓をもっていて使いたければ、36へ。
  左手の路地へ走って狙撃手から逃れたければ、155へ。


二の矢はこなかった。
あまりにも迅すぎる俺の回避に、熟練の狙撃手でさえ視線が追いきれなかったのだ。
そして狼の決断はひとつ。目には目を、牙には牙を――


通過パラグラフ:(345)→16→319 治癒術の効果:+2点   現在の体力点:18点
(つづく)