ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ148→→→パラグラフ345:混成狼兵団・壊滅:(死亡・15)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



髑髏を模した鉄仮面の下で、残忍な哄笑がくぐもる。
容赦ない斬撃を紙一重で回避して立ち上がった。
泥濘の中、足を踏ん張り、再び死の騎士は斧をかざす。
両手持ちの長柄の戦斧が舞う度に、異様な風切り音が戦場の喧噪を遮る。
膨大な空気抵抗を物ともせず、回転の速度が更に上がっていく。
人間離れした膂力と、疲労と苦痛を消し去った狂戦士ならではの芸当だ。
そして―― 深紅の血煙をたなびかせる剃刀の切れ味の刃―― が俺の首めがけて振り落とされた。



  死の騎士  戦闘力点24  体力点40


 戦争の熱狂のため、この敵に念撃は通用しない(念波動は通用する)。


またしても戦闘比マイナス2。
両手持ちの斧とバシュナのナイフ が鋼の咆哮をあげ、絡みあう。
思わず苦鳴がもれた。
初撃・2撃目ともに、乱数表は「1」と他の数字の境界線上……!
かろうじて仕切りなおし双方ダメージ0だが、あと数ミリ手元が狂えば腸を裂かれていたのはこの俺だった。
神経を研ぎ澄まし、最小限の挙動で確実に斬り刻んでいく(「7」「8」「9」)が、タフネスを誇る死の騎士はびくともしない。
逆に太ももを削がれ(「5」)、ついに唐竹割りの一撃(「1」)が肩に食いこむ――
―― ッッ!!!」
肩から胸骨までざっくり切り裂かれ、鮮血が噴き出す(5点の被ダメージ)。
次で止めを指す(「8」)が、6ターンの戦闘は高くついた。
体力の残り、わずか8点…………
しかも――


  方向認知術を身につけていて、チュータリーの階級に達していれば、225へ。
  方向認知術を身につけていないか、チュータリーに達していなければ、345へ。


このパラグラフの最終行、ちらりと垣間見た悪魔のあぎと。
不可避の『待ち伏せ』めがけて、容赦なく俺とプラーグの連隊は押し流されていく……



「怯むな! 戦え! 死にたくなければ死んでも怯むなッ!」
プラーグの無茶振りが効を奏してか、歴戦のドラッカー兵を病み鍋連隊(誤字ではない)が押し返していく。
ぐいぐい進撃する死兵の群れを堰きとめようと、味方の死体さえ盾にして、ドラッカーの残存部隊が狭い通りにバリケードを敷く。
「槍騎兵前進! バリケードを突き破れ!」
「無茶だプラーグ!」
「かまうものか!ロルフは路地を回って奴らの背後を襲ってくれ!」
後退は即、死につながる。
地獄の鉄火場で肩を並べる戦友にしたがい、俺は農民兵ら20人を連れ、ただちに左手の路地に突入した。
撤退しつつある死の騎士たちが、こちらを目にした途端逃げだしていく。
「見ろよ、奴らビビッてやがる!」
「叩きのめせ、叩きのめせ!」
純朴で戦闘経験少ない農兵たちがはしゃぎ、迷路じみた隘路を盲滅法に突き進んでいく。
―― そうして現れる、『待ち伏せ』の選択肢。
方向認知術など身につけていない俺は、容赦なく戦場の渦に飲み込まれ――


 そのとき突然、死の騎士たちが向きを変え、君たちと対峙する。
 一瞬後、革鎧を着た一団のハマーランド兵が、血も凍る鬨の声を上げながら
左右の小屋からあふれだした。
 彼らはあらゆる方角から君の兵士たちを攻撃し、樽の中で逃げ場のない魚の
ように部下たちを殺していく。


「ロッ、ロルフ隊長ッ!!」
「囲まれましたッ、囲まれましたァァ!!」
「逃げ場が、逃げ場がありません、俺はまだ死にたくな―― 死にたわッ!」


「あー………………そう……ねェ………………」


惨劇を他所に呆けている場合ではない。
狼マイスターの体力点は残りわずか10点。選びうる未来は、2つ。


  踏みとどまってこの攻撃者と戦いたいのなら、288へ。
  この待ち伏せから逃げようとするつもりなら、16へ。



通過パラグラフ:(148戦闘)→206→345  治癒術の効果:+2点   現在の体力点:10点
(つづく)