ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ261→→→パラグラフ190:死神の腕:(死亡・15)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



このままでは死あるのみ。
時間にすれば秒に満たない動作で跳ね起きる、それが、数十分もの決死の努力に相当した。
エル・レンシア連合軍の陣地ははるかに遠い。
ふらつく一歩ごとに胸板を貫通した矢が体内をかき回し、臓腑に傷を負わせていく。
常人なら失神したまま死に至りかねないほどの、耐えがたい激痛を意志力のみで押さえ込む。
だが……
ついに足取りが緩くなり、もはや一歩も踏み出せず、その場にひざまずいてしまう。


 生き伸びるための唯一の望みは、刺さった矢を引き抜くことができるか
どうかにかかっている。
「乱数表」を指せ。
 治癒術を身につけていれば、その数から3を引くこと。その数が、背中
から矢を引き抜く結果として さ ら に 失 う 体 力 点 に等しい。


冗談、だろう……ッッ!!
常人であれば失血死が約束された地獄。
12点のダメージでは生温いとばかり、さらなる窮地が狼を待ち構えていたのだ。
覚悟を決め、乱数表を指す―― 結果は、8。
治癒術を駆使して3点分の痛みを殺しつつ、えぐれた鏃を無理やり背中から引き抜いていく。
こらえきれない絶叫があふれ、ドス黒い血が傷跡を満たし、胸と背を貫く傷穴から溢れだす。
苦悶にひとりのたうち、呻吟した。
12点のダメージに加えてさらに追加のダメージ5点。
真に――
真におそるべき罠だった。
潜入から脱出まで、ここまでのトータルダメージ、27点。
途中の2パラグラフで治癒術が機能したとはいえ、実に25点もの体力点を、一瞬にして根こそぎ奪われたのだ。


 この行為がもたらす精神的なショックを生 き 延 び る こ と が で き た ら、190へ。


さもあらん。
ここは正しく『殺しにきた』パラグラフだった。
うかつに死の騎士と交戦した時点でデスレーンに飛び乗ったようなもの。
9巻でいうところのドゥームオオカミ乗りとの一戦に近い、必殺の罠、必死の伏線だったのだ。
かろうじてそれをやりすごした。
すでに矢の有効射程からは脱している。本能に身を任せて矢をかわしつつ、なおも重い足で前進する。
鏃が小さく、毒も塗られていなかったのは不幸中の幸いなのだろう。
「そこで止まれ!」
「……へ?」
不意に飛び込んできた声にぼんやり顔を上げる。
抜刀したレンシア兵が剣を構え、油断なく近づきつつあった。助かった。味方の陣地にたどり着いたのだ。
そのまま、彼らのもとへ近づき……
「そこで合言葉を言え!」
 兵士たちが命じる。
「合言葉を言うか、死ぬかだ!」



  「短剣」と答えるか。63へ。
  「幅広剣」と答えるか。227へ。
  「長剣」と答えるか。347へ。


さて。
合言葉がなんであったか、思い出すことができるだろうか?


通過パラグラフ:(261)→203→190 治癒術の効果:+2点   現在の体力点:14点
(つづく)