ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

【パラグラフ77→→→パラグラフ  :終りがないのが終わり。それが(ry:(死亡・14)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



闇のゲームさながら滔々と解説を加えておいて、抜く手も見せずオールリセット。
用済みとなった戦闘記録チャートを破棄して新たなメモを取りだす。
再び襲い掛かってくる命冥加な阿呆共。
此度のような雲をつかむがごとき天佑、二度も三度も続かぬと知れいッッ!!



  セナー・ドルイドの亡霊たち  戦闘力点32  体力点40



逆流れの斬撃が天まで届き1点の手傷と引き換えに22点のダメージを負わせる(乱数表7)。
勢い込んだ2ターン目、ドルイドの『死の接触』で2点の被ダメージ(乱数表3)。
ドルイド共の体力は残り4点。殺しきれぬ局面ではない。
気合を入れた最終ターン、俺の出目は……乱数表6!!
ドルイド共には57点の総ダメージでオーバーキル、だがこの瞬間、狼の命も、また……


「……チッ」
リアル舌打ち。
即座に書きかけの戦闘記録チャートを絹のハンカチーフのように引き破る。
こうも愚弄するとは……ならば、怒りの臨界点を超えた、俺のデッキ ゲームブック業が応えてくれよう!
まだだ。
まだ……まだ、俺のバトルフェイズは始まってもいないんだぜ!


「秘 奥 義・ パ ラ グ ラ フ 逆 行!!」


二度目の業発動!
別に効果がかぶっているわけじゃないから、ローカルルールには何一つ反していない。
丁寧にやり直ししているだけ。
いくぜ!
ずっと俺のターン



亡霊どもの攻撃を悉く読みきって一閃、28点のダメージを食らわす(乱数表9)。
続く2撃目、追加で10点のダメージを負わすものの、狼は4点の負傷を負わされた(乱数表1)。
渾身の3ターン目、出目は5、またしても互いにオーバーキル。
この勝者なき戦いの帰趨はいずこに……


「うぉおおぉおおぉおおおお!!!!」
「HA☆NA☆SE!!」
許さん。
許すまじ蟲けらども。
死にぞこないの魍魎の分際でこのカイ・マスターをさえぎるか!
速攻魔法 ゲームブック業、発動!


まぁだまだまだ、この俺のバトルフェイズは――


「もうやめて、狼―― ッッ!!」


どこか、はるか遠く(具体的には良心の眠る心の奥深く)から悲痛な声を耳にした。
なぜだ。
なぜこうも悪運がつきまとう。
これではぜんぜんスッキリしない。『勝つまで俺のターン』ではルールもへったくれもないではないか。
正直、とてもじゃないが自分でも納得できないし見ていられない。
―― 気づけば、明鏡止水の心境に達していた。
人間、諦めが一番。
運がいいとき悪いとき、色んな状況があって当然なのだ。
その一箇所だけに固執して何度も乱数表を振りなおす。
―― だから、そう。
もう一度だけ『頭からやり直して』これきりで、うまくいこうが行くまいが、それで良しとしよう。
なんという潔い俺。
カイ・マスターはこの位の宇宙的度量がなくては務まるまい。
かまうまいね?
卑怯とは……呼ぶまいね?
(この俺を?)


「秘 奥 義・ パ ラ グ ラ フ 逆 行!!」



通過パラグラフ:(54(戦闘)→37 治癒術の効果:+1点   現在の体力点:24点
(つづく)